雹(ひょう)被害の梅農家支援 肥料代補助やPR事業 和歌山・田辺市
国内屈指の梅産地の和歌山田辺市で3月に雹(ひょう)被害に遭った梅農家を支援するため、市は肥料代を補助する方針を決めた。また、大阪などの百貨店で影響が懸念される同市の梅製品のPRに取り組むことも計画している。 19日開会した市議会定例会に提出した令和6年度一般会計補正予算案に、肥料代の補助金2400万円とPR事業費170万円を計上した。 肥料は物価高で高騰しており、国が示した今年1月の「農業物価指数」では令和2年比で35%値上がりしている。市は雹被害を受けた梅畑で来年の収穫に必要な肥料代のうち、今年1月時点の値上がり分の最大3分の1を補助するとしており、1ヘクタールあたり最大1万3千円程度になる。 市農業振興課の担当者は「額は少ないが、梅農家の経営を下支えできるよう応援したい」としている。 雹は3月20日に県内に降り、梅に傷がつき、価格下落など影響が懸念される。県などの調査によると、同市の梅の雹被害額は約10億9千万円にのぼる。県内の梅は雹被害を受けたほか、暖冬の影響で収穫量が大幅に減少している。 PR事業は大阪か大阪近郊の百貨店1カ所で7月下旬~8月下旬に7日間を予定(詳細日程や場所は調整中)。同市産の梅干しや梅酒などの梅製品を扱い、販売も行う。市などが出資する第3セクター「南紀みらい」(同市湊)に委託して実施する。