センター試験とどう違う?意外と知らない「共通テストのキホン」【進路のプロが解説】
「新課程」で共通テストはどう変わる?
高1・高2生のお子さまが受験する共通テストは、「新課程」に対応した内容になります。 松﨑講師: 「新課程」共通テストでは、まずこれまでの5教科に「情報」が加わって6教科になります。 さらに、科目が再編されたり、範囲が変わったりといった変更点があります。
共通テストの難易度、どんな能力が求められるのか
共通テストの内容や難易度でよく言われるのは、この3点。 ①基礎から応用までが試される ②分野の深い理解が必要 ③読解力とスピードが求められる 松﨑講師: 共通テストは正直、とても難しい試験だと思います。 どの科目でも処理スピードが求められるので、正確な知識を、すぐに引き出せるように、しっかり頭に入れる必要があります。 科目数や問われる知識が増え、問われ方も変わったのに、勉強する期間は高校3年間で変わっていないので、単純に難易度が上がっています。とくにセンター試験と比較して、対策に多くの時間がかかるようになりました。 また、共通テストは、いわゆる丸暗記では通用しない、深い理解が求められるといわれますが、その点について松﨑講師はこんな例を交えて教えてくれました。 松﨑講師: たとえば、日本史の並び替え問題では、年号だけでなく月の違いまでが問われました。 これは出来事の月まで覚える必要があるということではなく、各出来事の背景や流れを理解していると、その因果関係から出来事の順序がわかり、正答を導けるものです。 暗記などの単純な知識量だけでなく、その分野の深い理解が求められているといえます。
まずは1科目だけ圧倒的な得意科目をつくるべき
ここまで共通テストのキホン知識を解説してもらいましたが、今からお子さまにやってもらいたいことを教えてくれました。 松﨑講師: どんなテストなのかを知ったら、次は実際に解いてみてください。 自分の得意科目だけでもいいです。求められるレベルはどのくらいなのか、そして今の自分がどのレベルなのかを把握することが大切です。 国語・数学・英語に関しては、試験範囲の8割が高1・高2の内容なので、単純計算で高1生でも4割、高2生なら8割近くは解けてもおかしくないということになります。 共通テストで求められるレベルと、それに対して何が足りないのかを把握することがすごく大切で、それが効率的な勉強に繋がります。 そのうえで、松崎講師はお子さまに向けてこんなメッセージを贈ってくれました! 松﨑講師: 共通テストは入試の合否を分けるという意識をまず持つことが大切です。 そして、今から1科目でいいので、自信が持てる得意科目をつくりましょう。 圧倒的な、自分でも他人からも得意と思われるような得意科目です。その成功体験があると、他の科目にも生きて、成績UPに繋がります。 これからお子さまが受験する共通テストがどんな試験なのかを理解することで、お子さまに寄り添った声掛けやサポートができるようになります。 保護者世代とは大きく変わった大学入試。とくに「新課程」入試はこれから実施されるものなので、初年度の情報収集などでお子さまをサポートするようお願いいたします。
プロフィール 進研ゼミ高校講座 進路指導センター 松﨑周平 難関大受験予備校の校舎長・進路責任者として、東京大・慶應義塾大・早稲田大・国公立大志望者2,000人以上の中高生の進路指導に携わってきた。最新の入試データと生徒の志望やポテンシャルを総合的に判断した熱い進路指導に定評がある。 プロフィール 進研ゼミ高校講座 ライター/クロロ