2連勝でチームの実力を確信も、地に足つけて一つひとつ。しながわシティ・白方秀和「勘違いしている選手は誰もいない」
6月7日、ひがしんアリーナにてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第2節が行われ、フウガドールすみだとしながわシティが対戦。しながわは4-3で勝利した。 開幕戦で、昨季王者の名古屋オーシャンズを破る大金星を挙げたしながわは、今節も勢いを保ち、開始4分に新加入の東出脩椰が先制点を奪って幸先よくゲームをスタート。 ところが第1ピリオド17分、すでに5つのファウルが溜まった局面で平田・ネトアントニオ・マサノリが一発退場となり、第2PKで同点に追いつかれると、23分には連続失点で逆転を許す事態に。 28分にはすみだの星龍太もレッドカードで退場したことで両者の撃ち合いはさらに白熱し、迎えた38分、セットプレーからカイオが勝ち越し点を決め4-3で試合は終了。前節と同じスコアでしながわが接戦を制し、連勝を収めた。 試合を終え、比嘉リカルド監督と白方秀和が記者会見に出席した。
守備では宿題が残った試合になった
●しながわシティ|比嘉リカルド監督 ──試合を振り返って。 前半いいペースでスタートを切って先制して、そのまま2-0、3-0まで行ってもおかしくないリズムだったんですが、ファウルや退場からディフェンスがうまくはまらなくなり、相手のリズムになってしまいました。2-1にされたり、3-2になりながらも諦めず信じてやりきったというところが一番のポイントだったと思います。連勝できてよかったです。 ──前節名古屋に勝利して、勢いを保つためにも今日は大事な試合だったかと思いますが、どういったゲームプランを想定していましたか? まず僕個人として、すみだのホームアリーナが相性が悪いんですよ(笑)。それは用意してきたプランとか、お互いの駆け引きの部分ももちろんありますが、すみだというチームのキャラクターもあるのかなと感じています。 今日は前からプレッシャーをかけた時にスペースを与えて裏を取られてしまったりもしたし、もう少し自分たちのリズムになるゲームにしたかった。相手は今日で2連敗という結果ですが、やはりこのアリーナのホームでの声援はすごいし、強かったです。 あと、プランとは別にこの試合に臨む上でのメンタルのところはすごく気に掛けていて、開幕戦で名古屋に勝てたことで「今日の試合も勝てるだろう」という意識にならないように、選手たちにも厳しく伝えました。でも、それよりも今日はチームの土台をディフェンスから作るという点でうまくいかないところが多かったので、宿題がたくさん残った試合になりました。 ──先制点を決めた、新加入の東出選手の評価を教えてください。 去年まで敵として戦っていて、すごく嫌な選手でした。まだ若いし、新しいやり方に慣れるまでの時間はかかったり気を使ってしまっている様子もあったので、今日の先制点は僕としてもとてもうれしいです。これで自信をつけてもっと自分のプレー、力を出せるようになるんじゃないかなと思います。 ただ、セットの組み合わせを見た時に、シラ(白方)、(瀧澤)太将、(田村)龍太郎は昔からお互いを知っていてやりやすいし、経験もあるので監督としても起用しやすいという点があります。もう少しチャンスや時間を作って、東出も出してあげたい気持ちもありますが、ちょっとミスをするとやられてしまうかもしれないという不安もあるので、もう少し安定しないといけないですね。もっともっとよくなると思うし、これからも期待しています。 ──今日は両チームに退場者が出るゲームになりましたが、こうした試合になった時に監督として特に大事にしていること、チームに伝えていることがあれば教えてください。 僕も選手で退場を経験していますし、今のFリーグの監督のなかでも感情があふれやすいタイプでコントロールができないところがあります。ただ、今日のマサの退場シーンについては、指示を出していた時だったので、なにが起こって、悪かったのかわからなくて、なにも言えませんでした。チームにはファウルには気をつけて、第2PKにさせないようにということは話をしていましたけど、あの退場と第2PKから相手のペースになって1対1を突かれてしまうシーンが出てきてしまいました。直前までどれだけいい流れで自分たちが主導権をにぎっていても、たった一つ何かが起きたら大きく変わってしまうんだなと、また勉強になりました。次は同じことにならないように気をつけたいです。 ──今日は新井裕生選手と平田マサ選手を同じセットで起用している時間が長かったように感じましたが、現時点で新井選手がアラ、平田選手がピヴォでの起用を考えているのでしょうか? 二人とも両方できるし、マサも名古屋戦ではアラで出ていたりもしたので、交代しながらやっています。裕生は開幕戦に出れませんでしたが、オーシャンカップでも練習試合でもすごく良かったので、あの二人が一緒に出れるように考えていました。いいリズムだったと思うし、オプションが増えることはうれしいですね。 ──次節に向けて。 勝ってすべてが良かった、負けて全部悪かったということはないですが、やはり結果は大事です。2連勝でいい雰囲気は続きますが、現実として修正しなければいけないのはディフェンスの部分です。僕たちは優勝を狙うという目標がある。それを叶えるためには、土台を作らないといけません。勝っているのに要求されて、「なんだよ」となるのではなく、本気で優勝を目指すならもっと強度やフィジカルをあげて、失点をしないようにしないといけません。まずうまくディフェンスさえできれば、堅いチーム作りができて自然と攻撃もよくなります。次のバサジィ大分戦に向けて、いい準備をして3連勝できるように頑張ります。