氷見市長10月で退任 がん「治療に専念」 市長選、知事選と同日調整 10月27日投票
氷見市の林正之市長(67)は25日、治療中の膵臓(すいぞう)がんについて、ステージ4であるとして、「体調が万全でない私が市長職を今後も続けるのは困難。新しい市長に震災復興や氷見市の地方創生を任せたい」と述べ、10月末までに辞任する考えを明らかにした。林市長は取材に対し、市議会9月定例会が終わる9月18日以降に辞職願を提出。市長選を10月10日告示、27日投開票の富山県知事選と同日選となるよう調整するとした。 林市長は、辞職願いを提出後、10月末まで市長を続けるとし、市職員に負担を掛けないように10月27日投開票の知事選と同日選挙での調整を考えるとし、「職務代理者を置かず、市政を引き継ぎたい。11月から治療に専念する」と報道陣に説明した。 林市長は25日、市漁業文化交流センターで開かれた堂故茂国土交通副大臣、光澤智樹県議との活動報告会の席上、辞任の意向を示した。27日に市役所で記者会見を開き、改めて説明する。 ●「断腸の思い、切にお許しを」 報告会の席上、林市長は約400人の出席者を前に「断腸の思いだが、(辞職を)切にお許しを」と出席者約400人を前に言葉を詰まらせた。 林市長は取材に対し、抗がん剤治療に加え、都内の専門クリニックで免疫療法を受けており、今後、がん治療薬「オプジーボ」での治療を行うと説明した。抗がん剤治療の倦怠(けんたい)感などの副作用については、25日朝、比美乃江公園で行われたラジオ体操イベントに参加した際、立ちくらみでしゃがみ込んだとした。 林市長は2017年の市長選で現職と新人2人による選挙戦を制して初当選し、21年に無投票再選し、現在2期目。任期は来年4月6日まで。 ★林正之(はやし・まさゆき)氏(67) 1957年生まれ、京大工学部卒。富山県庁で土木部長などを歴任。2017年の氷見市長選で現職と新人2人による選挙戦を制して初当選。21年の市長選で無投票再選。