ドジャースとパドレスが有力?MLB公式が「お金」じゃない佐々木朗希の移籍先に早くも興味津々
Roki Sasakiの衝撃が米球界を駆け巡った。佐々木朗希のメジャー移籍のためのポスティングシステム申請への手続きを開始したと、ロッテが11月9日に発表。米国時間では深夜の一報から一夜明けて、米メディアはこのオフの移籍市場に殴り込んできた最速165km右腕をこぞって特集した。 【動画】日本人最速の165キロを記録!凄みを増した佐々木朗希の広島戦のピッチングの映像 MLB公式サイトはフロントページに佐々木の特集を掲載。「有力移籍先はどこだ?」と早くも新天地の行方を占った。昨年3月のWBCでの佐々木のユニホーム姿の写真の背景には、ドジャース、メッツ、カブス、パドレス、ジャイアンツ、ヤンキースの6球団のロゴ。現時点では噂話に過ぎないが、この6球団を有力候補として挙げた。 「今回はヤマモトの時とは状況が異なる。ササキがチームを選ぶ際、金額は優先事項とはならない」 あるア・リーグ球団幹部のコメントとして紹介した。昨オフには山本由伸がオリックスからポスティングされ、激しい争奪戦の末にドジャースと投手史上最高総額となる12年3億2500万ドル(約465億円)のメガディールを結んだ。だが、23歳の佐々木の場合はMLBの25歳未満の海外選手獲得ルールにより、マイナー契約しか結べない。年俸は数千万レベルで、契約時にボーナスとしてもらえる契約金もせいぜい500万ドル(約7億5000万円)程度まで。どの球団も金銭的には獲得に支障はなく、契約交渉ではお金ではなく受け入れ体制や育成プラン、住環境などお金以外の環境面が重視されるからだ。 「この2チームによる一騎打ちというわけではないが、有力候補なのは間違いない」 あるナ・リーグ球団幹部がコメントしたように、多くの関係者が有力候補に真っ先に挙げるのがドジャースとパドレスだ。「オオタニとヤマモトが加入したドジャースは日本で最も有名なチームになったし、ササキはダルビッシュとも親交が深い。交渉の手助けとなるかもしれない」と同サイトは指摘した。 また別の関係筋は過去に多くの日本人選手と契約してきた実績があるジャイアンンツ、ヤンキース、メッツ、ブルージェイズ、カブス、レンジャーズも有力候補として並べたという。ある関係者は「東海岸のチームでは、メッツが最も可能性があると思う」と同サイトの取材に答えた。 メジャーリーグでも先発投手の一番手が務まる能力を認める一方で、スタミナ的な不安を懸念点としても挙げた。「ロッテでは年間100イニング以上投げたことは2度しかないし、最高でも2022年の129回1/3。右腕と脇腹の故障により今季は111イニングしか投げていない」とケガの多さや安定してローテーションを守れるかどうかには懐疑的でもあった。あるナ・リーグ球団幹部の「メジャーリーグでもとても手強い投手になるのは間違いない。でも200イニングも投げるようなワークホース(働き馬)としては計算できないよね」というコメントも紹介した。 金銭面では争われないという、異例の争奪戦。果たして佐々木が挑戦の場となる新天地を選ぶ決め手は何になるのか。昨オフの大谷や山本の移籍交渉と状況は異なっても、決断の時まで米メディアがヒートアップしていくことは変わりなさそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]