金平会長を直撃!協栄ジム休会騒動の真相とは?
金平氏は、6日の午前中に東日本ボクシング協会、JBCに連絡し、9日に正式に休会届けを提出する方向であることを報告した。その後、一部のメディアにも相談したが、それが報道され、今回の騒動となった。 ただ、その際、協会サイドからは「試合が決まっている選手がいる状態の中で、こういう行動はあまりに無責任で問題がある。ジム内で善処できないのか」と翻意を促されたという。また金平会長は「今後、新しいスポンサーを見つけてジムを復活したい」という意向を持つが、協会サイドは、今回の行動を重くみて、休会届けが提出された場合、再開に関してはペナルティを与えて簡単には認めない方向。しかも「協栄」の名前の商標は、現オーナーに押さえられているため、金平氏が、ジムを復活する場合にも、その伝統ある名称は使えないということになる。 突然の”解雇通告”に対しての対抗処置として休会届けを出すことを表明した金平会長だが、関係者によると、実はオーナーサイドにも業務委託を打ち切る理由があったという。金平会長がジムにほとんど顔を出さずに業務委託した会長としての職を全うしていなかったなどという不満が重なり、今回の解雇という判断につながったというのである。つまり業務委託の契約内容の不履行というわけだ。 だが、オーナーサイドも、当初、現在、協栄ジムでトレーナーをしている人物を新会長に立てれば、そのままジムを存続でき、金平会長を解雇しても選手の試合出場に問題はないと甘い見通しを持っていた模様。 実際、プロジム加盟のオーナー資格を持つためには必要な条件(講習会の複数回受講など)が規約で定められている。結局、オーナーと金平会長の経営を巡っての“内紛“に巻き込まれる形になった選手が、今回の騒動の一番の被害者という状況になっている。 しかし、まだ金平会長が休会届けを提出すると表明した9日まで時間が残されている。 ――再度オーナーと協議して試合が決まっている選手に影響が及ばないような善処策を講じることはできないのですか? そう聞くと金平会長も苦しい胸の内を明かした。 「実はこちらからオーナーに連絡を取ろうとしたんですが、折り返しがありません。それで、あのホームページのコメントでしょう。あれが答えなのかなとも考えてしまいます。もちろん選手のために話し合いはしたいのですが、もう話し合いの余地がないとされているのならどうしようもできません。今回のような問題は、一度だけじゃないですからね。オーナーのことはリスペクトしていますが、今年の協栄主催の興行もゼロです。それがすべてを物語っているんじゃないですか」 先代の正紀氏が尽力し、“カミソリパンチ”の海老原博幸に始まり、西城正三、具志堅、上原康恒、渡嘉敷勝男、鬼塚勝也、勇利アルバチャコフ、オルズベック・ナザロフら国内ジム最多の13人の世界王者を生み出してきた名門の協栄ジム。桂一郎氏も「これからはロシアだ」という父の意向を受けてロシアの大学に留学するなど、後継者としての英才教育を受け、父が死去すると、その後を引き継ぎ、佐藤修、亀田興毅、大毅、和毅、坂田健史、佐藤洋太らのチャンピオンを作った。また協会の幹部としてボクシング界発展のための改革にも取り組んできた。本当にその名門ジムの歴史に幕が降ろされてしまうのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)