「家の近くは激戦区…」待機児童ゼロでも “保活” は不安… 解消のカギは保育士経験のあるアドバイザー 最新保活事情
「保活」に対する不安は解消できていないのです。 ■初めての保活 保育士経験者のアドバイザーがていねいに 栗栖千尋 記者 「保育園を探す助けになるのが保育サービスアドバイザーです。こちらにいらっしゃいます」 広島市内の区役所では、保育士の経験がある人が保活をサポートするために相談を受け付けています。 この日、相談に来ていた女性は、初めての保活を前に保育園の見学や申し込みについて聞きにきました。 相談に来た女性 「どういうふうに入れたらいいかなというのが全然分かっていなかったので、そこら辺の流れが聞けてよかったなって思います」 ライフスタイルを聞いて、具体的な園の名前を提案することもあります。 保育サービスアドバイザー 大門句三江 さん 「できるだけ多くの保育園を入所希望園として選択肢に上げていただくことで(入園の)可能性が広がりますので、通勤途中とか職場近くの保育園を紹介しています」 ただ、入園がゴールではありません。大門さんは気になる保育園には必ず自分で見学に行くよう伝えています。 保育サービスアドバイザー 大門句三江 さん 「保護者は先生との信頼関係も大事ですよね。まず保育園の見学をしていただきながら希望の順位を保護者、家族の中で決められることになるかなと思います」 ■「ハコ」を増やすのではなく選択肢を増やす 広島市は、アドバイザーによるアドバイスが、保活のサポートだけでなく、待機児童解消のカギにもなったとみています。 いま、広島市では入園希望児童数に対する保育園の定員が1割ほど空きがあります。少子化が進み、子どもの数が年々減っているなかで、保育園をこれ以上増やすのは得策とは言えません。そのため、「ハコ」を増やすのではなく利用者の選択肢を増やすことが待機児童解消のカギになっています。 だんだん保育園にもゆとりが出てきているのに、なぜ、保活に対する根強い不安が残っているんでしょうか? 「待機児童ゼロ」でも、実際は希望する保育園に入れなくて、やむをえず保育料の高い認可外保育園に預けたり、きょうだいが別の保育園に通うことになってしまった人がいることも事実です。さらに、この10年で子育てを巡る環境も大きく変わっています。
10年前は、男性の育休取得率は2.3%でした。これが、23年度は約30%に。また、テレワークが普及するなど職場環境も大きく変わりました。 変化が激しいぶん、数年前の情報や体験があてにならないことも多いため、そこに不安を感じる母親が多いのではないかということです。 保育サービスアドバイザーと同じような制度は、広島市以外の市町にもあるようなので、そういった制度を頼ることや、子育てに関わる家族で情報を集めたり、相談したりして、みんなで保活に取り組むことが大事なのではないでしょうか。
中国放送
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