フェルスタッペン、覚醒ノリスの追撃振り切り優勝。角田裕毅は10位で母国戦RBにポイント届ける|F1エミリア・ロマーニャGP決勝
イモラ・サーキットを舞台に開催されたF1第7戦エミリア・ロマーニャGP。5月19日(日)に行なわれた決勝レースでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが勝利を手にした。RBの角田裕毅は10位だった。 【決勝リザルト】F1 2024 エミリア・ロマーニャGP ヨーロッパラウンド開幕を告げる今回のレース。マラネロに拠点を置くフェラーリ、ファエンツァに拠点を置くRBにとっては母国戦となった。 青空がサーキット上に広がった決勝日も、サーキットには数多くのフェラーリの熱狂的ファン“ティフォシ”が詰めかけ、観客席を赤く染め上げた。 大観衆が見つめる中、グリッド最前列に並んだのはレッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのランド・ノリス。予選2番手タイムを記録したマクラーレンのオスカー・ピアストリは他者のアタックを妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受け、フェラーリ勢の後ろ5番手グリッドとなった。角田は7番手、チームメイトのダニエル・リカルドは9番手からスタートを迎えた。なおトップ10のドライバーは全員ミディアムタイヤを履いた。 気温25度、路面温度44度というコンディションの中、5つに灯ったレッドライトが消え、63周のレースが幕を下ろした。 抜群の蹴り出しを魅せたのはフェルスタッペン。ホールショットを取り、ノリス、フェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.、ピアストリがそれに続いた。 角田はメルセデスのルイス・ハミルトンやハースのニコ・ヒュルケンベルグに先行を許してポジションを落とし、ハードタイヤを履いたレッドブルのセルジオ・ペレスが10番手で角田に続いた。 フェルスタッペンが首位のまま2周目へ。じわじわと2番手以下を引き離していった。ノリスからピアストリまでがひとつの集団で走り、メルセデス勢はそこから2秒差で続いた。ヒュルケンベルグは上位勢についていけず、角田以下は各車1秒前後のギャップで連なって走った。 レース10周目あたりから後方のドライバーの多くは、DRSトレインから抜け出しアンダーカットするため続々とピットインを開始。ミディアムタイヤからハードタイヤへと交換していった。 ヒュルケンベルグの後ろでスタートから引っかかっていた角田も13周目にピットイン。翌周にピットに入ったヒュルケンベルグのアンダーカットに成功してポジションを上げた。なおその後ろにいたペレスは角田らに反応することなくステイアウトを選択したが、コースオフを喫するシーンもあった。 トップ5でまず動いたのはノリス。22周目終わりにピットインし、ハードタイヤへと交換した。ノリスはペレスの後ろでコースに戻ったが、タイヤコンディションの差もあり、すぐさま抜くことができた。 首位フェルスタッペンは24周目にピットイン。ハードタイヤを履いてノリスの前でコースに合流した。フェラーリ勢などもその後1回目のピットストップを完了し、レース折り返しの時点ではフェルスタッペンが首位で変わらず、ノリスが5秒遅れの2番手で続いた。その後ろはルクレール、ピアストリ、サインツJr.というトップ5だった。 スタートからハードタイヤで走っていたペレスらも37周目終わりにピットイン。これで全車がタイヤ交換義務を消化。6~7番手メルセデス勢の後ろに角田、ヒュルケンベルグ、リカルド、ペレスというトップ10となった。 フレッシュなミディアムタイヤを履くペレスは、リカルドとヒュルケンベルグを難なく攻略。角田もペースで勝るペレスに対して無理な抵抗はせず、42周目に8番手を明け渡した。その後角田は、こちらもタイヤの面で有利なストロールにも交わされ10番手に後退した。 前方に目を移すと、7秒先のフェルスタッペンを追う2番手ノリスにルクレールが急接近。43周目にはDRS圏内に捉えたルクレールだったが、ノリスはそれを振り切るようにペースを上げて2番手を守った。 ノリスはそこからさらに、フェルスタッペンとのギャップを削り、残り7周という時点でその差は2秒に。フェルスタッペンもノリスと同等までペースを上げたが、徐々に差は縮まっていき、2台は1秒という僅差でファイナルラップへ突入した。 ノリスは最後の最後まで攻め立てるも、最終的にフェルスタッペンに0.725秒届かず。フェルスタッペンが逃げ切り優勝を果たした。レッドブルの圧倒的なアドバンテージが無くなった中でも、今季5勝目を挙げた。 前戦マイアミGPでF1初優勝を果たしたノリスは悔しい2位。フェラーリのシャルル・ルクレールがチームの母国で3位表彰台を掴んだ。 4位ピアストリ以下、サインツJr.、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル(共にメルセデス)、ペレス、ストロール、角田というトップ10。角田は2戦連続での入賞によりドライバーズランキング10番手を守ったが、同じタイヤでスタートし、レース序盤は後方にいたストロールに先行されたのは、悔やまれるところかもしれない。
滑川 寛