銀座の不動産王「丸源ビル」オーナーの「豪華別荘」が見るも無惨な姿に…“不法侵入ユーチューバー”らの呆れた実態
荒れ果てた「熱海の別荘」
今年2月に91歳でこの世を去った丸源ビルオーナー・川本源司郎氏が所有していた建物のひとつが、とんでもない被害に遭っている。見知らぬ者によって侵入、破壊を繰り返されているのだ。【華川富士也/ライター】 SNS上には「伝説の廃墟」に不法侵入する人々の姿が次々と……。壮麗な「別荘」が見るも無残に荒れ果てるまでのビフォア・アフター写真も
川本氏といえば2013年に脱税で逮捕され、21年に懲役4年の実刑判決が確定し、服役した。昨年10月ごろに出所するも、娑婆の空気を吸える時間は短く、今年2月に亡くなっている。 そんな川本氏が率いた丸源は、東京・銀座、赤坂や福岡・博多、小倉といった大都市の繁華街にのべ60以上のビルを所有していた。川本氏は生前に大半を売却し、残ったビルも相続人が売却手続きを進めている。東京と福岡以外では、静岡県熱海市にも複数のビルや土地を所有していたのだが、その熱海にある物件で問題が起きていることがわかった。 高級ホテルや別荘が並ぶ伊豆山。海を見下ろす高台にある丸源の「別荘兼美術品倉庫」とされる物件は、美術品を収納するにふさわしい、白を基調とした美しい内装の建物だった。しかし、今では荒れ果て、見るも無惨な姿になっているのだ。何があったのか。 SNSでこの問題を指摘した一人で、廃墟鑑賞の第一人者でもある栗原亨氏はこう解説する。 「不法侵入して撮影した画像や動画を、ユーチューブやTikTokなどのSNSに投稿する者が現れ、それを見た人が次々と不法侵入して、またSNSに画像や動画をアップする。これが繰り返されたことで、この場所の情報が拡散され、不法侵入者が相次いでいたのです」
調度品、装飾品は破壊され、壁には落書きが
問題は不法侵入だけにとどまらない。 「最初はきれいだったんですよ。しかし、不法侵入者がやりたい放題したせいで、めちゃめちゃになってしまった。美しい彫像や調度品、装飾品は破壊され、壁には落書きがされています。さらに海からの強い潮風に耐えられるはずの窓は破られています。なぜ破壊までしてしまうのか、理解できません。まるで無法地帯ですよ」 試しに「熱海 丸源」で検索してみて欲しい。 検索結果には、「豪邸廃墟」「伝説の廃墟」などと名付けられた、この物件の画像や動画が山ほど出てくる。さらには「Yahoo! 知恵袋」などの知識共有サイトに「熱海にある丸源の別荘に行ってみたい。勝手に入って問題ない?」といった趣旨の質問を投げる人まで現れる始末だ。 そうした動画のひとつ、川本氏の実刑判決が確定する前の2019年夏に投稿されたものを見てみると、ほぼ無傷な状態の別荘が映し出されている。侵入し撮影したのは外国人で、その美しさに感動して「まるで天国だ」と英語でつぶやいている。 しかし、その頃の美しい姿は長く続かず、その後、侵入者らによって破壊の限りを尽くされ、すっかり荒れた状態の写真や動画が多数投稿されるようになった。