新しい音声SNS「Airchat」は、気になる会話に音声で参加できる。試す価値アリ!
「Airchat」を試す価値はあるか?
ほかの新しいSNSと同様、今のAirchatはシリコンバレーを中心とした「新しいもの好きな人たち」で溢れています。 Airchatの現行版はいわゆるリブート(再起動)ですが、以前のバージョンはClubhouseにより近く、音声メッセージとやりとりが中心でした。現在は、文字起こし機能のおかげで、フィードがより活発で双方向型になっています。 Airchatの特長の1つは、シームレスな体験を提供している点。録音し投稿された音声が、ほぼ瞬時にテキストとして表示されるのはとても感動的で、この瞬間的な満足感が繰り返されることで、人は惹きつけられ、使い続けるのでしょう。 しかし、基本機能はさておき、今後も生き残ることができるかどうかはまだ疑問が残ります。現在のところ、Airchatには大規模なコンテンツモデレーション(投稿監視)がないうえに、私の使用中はアプリが時々フリーズすることもありました。 さらに、SNSの発展性には、魅力的なフック以上の要素が必要です。ベースとなるコアユーザーを育て、そこから成長させる必要がありますが、招待上限が設けられていた段階ではそれが難しいように感じました。 なぜなら、リリース当初は招待数が制限されていたため、Airchatを利用している人自体があまりいなかったからです(2024年4月16日執筆時点ではユーザーは上限2人までの招待制でしたが、今では招待不要で誰でも気軽に参加できます)。 ユーザー数は、Blueskyのような新しいプラットフォームも抱えている問題でしょう。もっと多くの人が参加し、さまざまな興味深い話題について話しはじめるまで、話すSNSの実用性を実感することは難しいもの。SNSというのは人がすべてなので、知り合いがいなければ、更新を忘れてしまうSNSの1つになります。 とはいえ、現在は一般向けにもリリースされて誰でも使えるようになったので、このような音声のやりとりで知らない人と交流するのがいいものかどうか、実際に試してみてはいかがでしょう。 1つ明らかなのは、Airchatは本当に積極的にユーザーに参加してもらいたいと思っているであろうこと。Airchatは、Redditと違ってテキストではなく声を使って、Redditのようにランダムな会話にすぐに参加できる楽しさがあります。 しかし、そのように楽しみたい人が本当にたくさん存在するのか、生まれては消えていったこれまでの多くのSNSの運命をAirchatが免れられるかどうかは、まだ未知数です。 Source: Airchat
的野裕子