井上尚弥は何が凄いのか?豪戦士が熱弁した病院送りにされたラスベガスの激闘「少しも後悔はない。多くを学んだ」
世界が「モンスター」と恐れる井上尚弥(大橋)の真価は、対戦した者にとってより強く感じられる。 【動画】モロニーが膝から崩れ、病院送りとなった一撃 井上尚弥の衝撃KOをチェック 「凄い選手になることはもちろん分かっていた」 そう語るのは、2020年11月に井上と「ボクシングの聖地」とも言われるラスベガスで対峙した、現WBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニー(豪州)だ。現地時間1月11日、米専門YouTubeチャンネル『PBF』のインタビューで応えている。 衝撃的なKO負けを喫した。6回にダウンを奪われていた33歳は、7回に井上がカウンターで放った渾身の右ストレートを頭部に被弾。「首が大きく揺れて、耳の中で何かが揺らいでいるのが分かった」というモロニーは力なく膝から崩れ落ちた。 モロニーが病院送りとなった対戦から井上は一気にスターダムをのし上がり、昨年12月には史上2人目となる2階級での4団体統一を達成。各国メディアのパウンド・フォー・パウンドでも当たり前のように1位や2位にランク付けされる世界的なファイターとなった。 ボクシング史に燦然と輝く功績を残す井上。そんな偉才について「僕はイノウエを一人のファンとしても追っている。だから、彼が『特別だ』ってことは、あの試合の前から分かってる」と語るモロニーは、約4年前の激闘をこう振り返っている。 「だからこそ、対戦できるチャンスには飛びつきたかったし、実際にそうした。彼と試合をしてみたかったんだ。あれだけの選手に勝てれば、一躍、スーパースターになれるからね。僕は常に最高の相手との大きな試合を求めている。あの試合は負けたけど、素晴らしい経験になったし、少しも後悔はない。多くを学んだからね」 さらに「イノウエは今の世代を代表するグレートな選手だ」と井上を称えたモロニーは、「ほぼ1年で2階級を完全統一するなんて凄すぎるよ」と脱帽。「彼は本当にモンスターさ。試合をよく観させてもらうし、そこから学べることは本当に多い。とにかくあの試合の経験には感謝しかない」と強調した。 昨年5月に井上の去ったバンタム級でWBO王座についたモロニー。現地時間1月13日に初防衛戦を控える彼にとって、モンスターとの至高の対決は大きな糧となっている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]