『本心』©2024映画『本心』製作委員会

　11月8日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショーされる池松壮亮主演映画『本心』の最新予告が公開された。 【写真】池松壮亮と水上恒司らを捉えた『本心』場面写真 　本作は、平野啓一郎の同名長編小説を原作に、AIや仮想空間などテクノロジーが日々進化する時代における人間の心と本質を描くヒューマンミステリー。脚本と監督を務めた石井裕也が、“自由死”を望んだ母の“本心”を知ろうとすることをきっかけに進化する時代に迷う青年を、発展し続けるデジタル化社会の功罪とともに描写する。 　2019年に新聞連載が開始され、2021年に出版された原作は、2040年代を舞台にした“未来の物語”として描かれていたが、映画では現代のテクノロジー発展の速度も考慮され、「今から地続きの少し先の将来（物語の始まりは2025年）」へと大幅に前倒しされた。 　時代に置いてけぼりにされた青年・石川朔也役で主演を務めるのは、石井監督作品へは『ぼくたちの家族』や『アジアの天使』など8作品に出演している池松。そのほか、三吉彩花、妻夫木聡、綾野剛、田中裕子、水上恒司、仲野太賀、田中泯らが共演に名を連ねた。 　公開された最新予告には、テクノロジーの著しい進化に翻弄されていく主人公・朔也（池松壮亮）と、彼を取り巻く人々が、互いの“本心”を探り合う様子が描かれている。朔也は、母・秋子（田中裕子）と2人でつつましい生活を送るごく普通の青年。しかしある日、「大事な話があるの」と言い残して急逝した母・秋子が、実は“自由死”を選んでいたことを知ってしまう。幸せそうに見えた母がなぜ自ら死を望んだのか。母の本心を探るため、朔也は不安を抱えながらも、AIに集約させ人格を形成するVF（ヴァーチャル・フィギュア）を利用し、仮想空間に母を“蘇らせる”選択をする。映像では、生前の秋子の親友・三好彩花（三吉彩花）の協力もあり、他愛もない穏やかな日常を取り戻そうとしていく朔也が、次第に母の“隠された一面”を目の当たりにしていく様子、そして母だけでなく自分自身の本心すらも見失っていく姿が映し出されていく。 　うまく生きようとするも時代に飲み込まれていく幼なじみ・岸谷（水上恒司）や、朔也に無邪気で不敵な笑みを向ける、人気アバターデザイナーのイフィー（仲野太賀）、技術者の野崎（妻夫木聡）がAIを駆使して作り上げた、VFの中尾（綾野剛）は生身の人間と見紛う姿で現れるが自分は4年前に亡くなっている事実を明かし、朔也を酷く動揺させる。登場人物たちは「世界は僕を置き去りにして進んでいく。怖かった」と変容していく社会で、もがき葛藤する朔也を容赦なく追い詰めていく。極めつけは、VFゴーグルを装着した朔也の「好きなんです」の言葉に、三好が怪訝な表情を浮かべ、「誰……？」と言うシーン。テクノロジーは、人間の何を変えてしまうのか。会話の奥に潜む、それぞれの“本心”とは。