体積1000分の1…ロームがサンプル提供、テラヘルツ波発振・検出デバイスの特徴
ロームは10月1日、体積を従来方式比1000分の1に小型化したテラヘルツ波(テラは1兆)の発振・検出デバイスのサンプル提供を始める。室温でテラヘルツ波を発振・検出可能。非破壊検査や医療分野のセンシング向けのほか、将来は超高速通信への応用も見込む。消費税抜きのサンプル価格は10万円と従来比10分の1に抑えた。 【写真】ロームのテラヘルツ波デバイス デバイスには半導体素子の共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いる。RTD素子を搭載した発振・検出デバイスの大きさはいずれも4・0ミリ×4・3ミリ×3・25ミリメートル。卓上でも研究・開発環境を構築できる、デバイスや評価ボードなどをセットにした評価キットも用意する。サンプル品と評価キットの販売には、ロームとの秘密保持契約(NDA)が必要となる。 ロームは2000年代後半から東京工業大学などとRTDを用いたテラヘルツ波発振・検出デバイスの開発を進めてきた。テラヘルツ波は放射線を使わない人体検査や高速通信への応用が期待されるが、装置が大型で、導入コストがかさむ点が課題だった。