中国、25年に特別国債発行を大幅拡大 成長促進へ資金調達
[北京 3日 ロイター] - 中国は、低迷する経済の再生に向け財政刺激策を強化する中、企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。国家発展改革委員会(発改委)当局者が3日の記者会見で明らかにした。 消費者が中古車や中古家電を下取りに出して新しい製品を割引価格で購入できる耐久財向け補助金プログラムと、企業の大規模な設備更新を補助するプログラムの「2つの新たな」取り組みに調達資金を充てるという。 発改委の袁達副秘書長は「2つの新たな取り組みの実施を強化し拡大するため、今年は超長期特別国債基金の規模を大幅に拡大する」と述べた。 世帯を対象に、携帯電話、タブレットPC、スマートウオッチ・ブレスレットの3種類のデジタル製品購入にも補助金を提供する。 発改委は先月、24年の超長期特別国債発行による1兆元の資金を全て割り当てたと発表。資金の約70%は「2つの主要な」プログラムに、残りは新たな取り組みに充てるとしていた。 発改委の趙副主任は記者会見で、特別国債による資金調達を増やし、主要な取り組みの範囲を拡大するとも述べた。政府は主要な取り組みの一環として、今年向けに1000億元相当のプロジェクトを事前承認したという。 政府文書によると、主要プログラムとは鉄道、空港の建設や農地整備、主要地域における安全保障能力構築などのプロジェクトを指す。 ロイターは先月、当局が25年に3兆元相当の特別国債を発行することで合意したと報じた。 袁氏は25年の経済成長目標について、ニーズと中長期計画のバランスを取ると述べた。 ロイターは先月、 中国指導部が25年の経済成長率目標を5%前後に据え置く一方、財政赤字目標を過去最高の対国内総生産(GDP)比4%に引き上げることで合意したとも報じた。 袁氏は国内経済が新たな課題に直面しているとしつつ、「今年も景気回復の継続をけん引できると確信している」とし、今年の成長を支える十分な政策余地があると述べた。