大成功の東京大会!次は初登場のパーマネントサーキット | FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第6・7戦 ミサノ プレビュー
今季の「フォーミュラE」はパーマネント(常設)サーキットでの開催が増加しています。年間16戦の内、メキシコシティ、ミサノ、上海、ポートランドの合計7戦がパーマネントサーキットでのレースとなったのです。市街地コースの場合、初開催のコースでは詳細な路面データを得て事前に分析することが難しいと思いますが、パーマネントコースの場合は他のレースから得たデータを元にある程度のシミュレーションが可能ですし、データ解析能力に長けるのはやはりメーカーワークスチームの強みと言えるでしょう。
昨年初開催となったポートランド(アメリカ)では予選デュエルに進んだトップ8の内、「アンドレッティ」「DSペンスキー」「マクラーレン」とインディカーにも参戦するチーム絡みのマシンが4台。そして「ニッサン」パワートレイン勢が4台ともトップ8に進出。ポールポジションはジェイク・デニス(アンドレッティ)が獲得しました。
ミサノの場合ですと、ヨーロッパですからある程度のデータはあると思いますが、DTMやGT3のレースで豊富なデータを持っている「ポルシェ」「マクラーレン」あたりは強いかもしれません。
それにしても、東京でのレースでは「ジャガー」「ポルシェ」が予選から失速。一方で「ニッサン」勢が地元の利点を活かして躍進したのに加えて、「ERT」や「アプトクプラ」といったあまり上位に来ることが少ないチームのドライバーが予選から躍進しました。
ランキング首位だったニック・キャシディ(ジャガー)は19番グリッドに沈み、そこからいつものように猛烈な追い上げで8位。しかし、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が5位に入ったことで、ランキングではウェーレインが逆転し、2点差の首位に立ちました。
ミサノは2レース開催ということで、特にウェーレインとキャシディにとってはシーズンの流れを占う意味でも最重要レースと言えるでしょう。東京で活躍したニッサン勢にも注目。3戦連続で表彰台に登り、速さを見せたオリバー・ローランド(ニッサン)がその勢いを維持できるかも含めて見逃せない大会となるでしょう。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ