天地真里が沢田研二をゲストに迎え、息の合ったミュージカルドラマを見せた「となりの真理ちゃん」
「となりの真理ちゃん」は、70年代を代表する国民的アイドルの天地真理の冠番組"真理ちゃん"シリーズ第2弾で、1973年4月から9月までの半年間TBS系列で放送されていた。 【写真を見る】ノリノリな演技を見せる沢田研二 天地は1971年7月から、同じくTBS系で放送されていた人気ドラマ「時間ですよ」にマリ役で出演。堺正章が演じた松の湯の"健ちゃん"が憧れる"隣のマリちゃん"という役回りで、白いギターを弾きながら美しい歌声も披露。瞬く間に脚光を浴びるようになった。同年10月に「水色の恋」でデビューし、国民的アイドルとして「ちいさな恋」「ひとりじゃないの」「虹をわたって」「恋する夏の日」などヒット曲を連発した。 天地真理の人気は社会現象的な大きなブームとなり、1972年10月に始まった「真理ちゃんとデイト」をはじめ、「となりの真理ちゃん」「とび出せ!真理ちゃん」「アタック!真理ちゃん」「はばたけ!真理ちゃん」と、1975年3月までの2年半に渡り、タイトルと内容を変えながら冠番組が放送されていた。 「となりの真理ちゃん」は、「ミュージック・ホームドラマ となりの真理ちゃん」が正式名称で、天地真理が毎回ゲストを迎え、ミュージカルとドラマを軸に構成されていた。谷啓、なべおさみのほかに、ヒネクレ、バンダ、コッペ、パクロンといった人形が登場。それらの人形のデザインを手掛けたのは、「仮面ライダー」「サイボーグ009」などで知られる石森章太郎(のちに"石ノ森章太郎"に改名)だった。 1973年4月12日に放送された第2回は「こちらバンダ!そちら誰だ?」というサブタイトルで、ゲストとして沢田研二が出演した。天地真理と人形たちによるオープニング曲「となりの真理ちゃん」の歌唱の後、本編がスタート。 新しくオープンした喫茶店のカウンターでコーヒーを飲む天地真理となべおさみ。カウンターの中には、沢田研二とコッペ。出されたコーヒーが天地の方が"特別感"があり、ふてくされたなべは人形たちを使って2人を合わせないように企てる。ストーリーの内容に沿って、デューク・エイセスの「おさななじみ」を2人で歌ったり、全員で「ビビデバビデブー」を歌ったりするほか、沢田研二の1973年1月に発売した5枚目のシングル「あなたへの愛」も劇中で歌唱している。喫茶店のカウンターに寄りかかり、リラックスした雰囲気の中、優しい表情で歌う姿はジュリーのかっこよさが際立っている。天地真理も1973年3月に発売した6枚目のシングル「若葉のささやき」を花や植物をバックに爽やかに歌唱。 ストーリー的にはコミカルな要素が満載で、沢田研二もノリノリで演じている。歌のシーンでは、歌詞の世界観に合わせていろんな表情を見せており、1回の出演の中でゲストのいろんな一面を楽しむことができる。沢田研二は「となりの真理ちゃん」(全26回)に4回出演。その前のシリーズ第1弾「真理ちゃんとデイト」にも3回出演し、天地の初主演映画「虹をわたって」でも共演しているので、まさに息の合ったコンビネーションを見せてくれている。歌あり、ドラマありのアットホームな雰囲気の「となりの真理ちゃん」沢田研二出演回をたっぷりと楽しんでもらいたい。 文=田中隆信
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