レスリング女子53キロ級で藤波朱理が全試合圧勝で金メダル獲得「オリンピック最高! レスリング最高!」 【パリ五輪】
「パリ2024オリンピック競技大会(パリ五輪)」の大会14日目となる8月8日(現地時間)、レスリング女子53キロ級の決勝で藤波朱理がルシア ヤミレト・ジェペス グスマン(エクアドル)と対戦し、10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちを収め、初めての五輪で見事に金メダルを獲得した。 グスマンは昨年の世界選手権では序盤に5点を奪われるなど苦戦した相手。 藤波は第1ピリオド開始から積極的に攻め込む。先にタックルを仕掛けたのは藤波。ここはグスマンが粘る。グスマンのタックルをしのいだ藤波は腕を取りながらタックル。倒して2点先制。アンクルホールドを狙うがグスマンがしのぐ。
藤波は手首をつかんでいなしてから右足にタックル。グスマンが粘るが藤波は倒してバックを取って2点追加。 グスマンのタックルは難なく切る藤波。そして左腕を手繰ってからバックを取って2点追加。アンクルホールドを狙うがしのぐグスマン。 第1ピリオドの3分間が終わり、藤波は6-0と大きくリード。 第2ピリオド、藤波はグスマンのタックルを切ってカウンターで左足にタックル。バックを取って2点追加。足を取って回しに行く。左への回転をしのがれると、逆に右への回転を狙うが回りかけたところで笛。 再開後、すぐにタックルにきたグスマンだが、藤波はこれを切って、素早くバックを取って2点追加。これで10-0となり、藤波のテクニカルスペリオリティ勝ちとなった。
勝利後、父の俊一コーチに飛びつき、ともに日の丸を掲げた。 初出場の五輪で金メダルを獲得した藤波は試合直後のインタビューで「最高です! オリンピック最高! レスリング最高! ここまでやってきてよかったです」と満面の笑顔を見せた。グスマンについては「グスマン選手のことを毎回考えて練習に励んできましたし、奮い立たせてくれる選手の一人でしたので“ありがとう”という気持ちを伝えたかったです」と語った。俊一さんについては「4歳から父のもとでレスリングをやってきて、ぶつかり合うことやケンカをすることも多かったんですが、父がいなかったらここにはいないと思うので、一番感謝したい存在です」と感謝の言葉を口にした。 藤波は1回戦でドミニク・パリッシュ(アメリカ)に、準々決勝でフラン・バトフヤク(モンゴル)にいずれもフォール勝ち。準決勝では東京五輪の銀メダリスト龐倩玉(中国)に10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちと今大会は一度も6分間戦うことのない圧倒的な勝利を重ねた。 藤波はこの日の勝利で連勝を「137」に伸ばした。また戦ったグスマンはエクアドル選手としては初めてのメダル獲得となった。