連敗地獄から抜け出した西武・隅田知一郎。現状を打破するためには時には大胆なピッチングも必要【伊原春樹の野球の真髄】
4月19日のソフトバンク戦で389日ぶりの勝利を挙げた隅田[中。左は若林楽人、右はマキノン。写真=橋田ダワー]
やはり、多少甘くなっても勢いのボールを投げ込めば窮地を脱することができるのだ。4月19日のソフトバンク戦(ベルーナ)で西武先発・隅田知一郎のピッチングを見て、あらためてそう思った。隅田はルーキーイヤーの昨年、プロ初登板初先発となった3月26日のオリックス戦(ベルーナ)でプロ初勝利をマーク。しかし、そこから勝てない。気が付けば10連敗。パ・リーグの新人では初の不名誉な記録となった。 今年も激しい先発ローテーション争いを勝ち抜き、開幕先発ローテに入ったが、2連敗。球団ワーストを更新する12連敗となってしまった。隅田はキレのあるストレートにチェンジアップ、カーブ、スライダー、カットボール、フォークと球種が豊富な左腕だ。昨年も防御率3.75と悪くなく、打線の援護が少なく勝利をつかむことができなかった。 いいピッチングをしても、なぜか打線との巡り合わせが悪い投手というのがいるものである。しかし、隅田はその巡り合わせの悪さを自らの手で打破することができなかった。例えば今季の初登板。4月5日の楽天戦(楽天モバイル)では初回、辰己涼介、小深田大翔に連打を浴びていきなり一、二塁のピンチを迎えてしまう。もちろん・・・
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週刊ベースボール