『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』TGS試遊版レビュー。シャドウvsメタルオーバーロード! かっこよさ際立つボス戦に大興奮【TGS2024】
速度、足りてる?: 俺は、足りてる。 だって『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』をプレイしたから――。 【記事の画像(26枚)を見る】 さて、いきなりスピードに脳をやられた文章から始めて恐縮だが、本記事はSEGAより2024年10月25日に発売予定のアクションゲーム『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』の“TGS2024試遊版”※ を遊んでの紹介記事となる。 そう、試遊版……めちゃめちゃ作品全体の一端しか触ってないわけだが、それでもあの肌にビリビリくるような、痺れる極上のスピード感にやられてしまった。筆者は『ソニック』シリーズ未経験で、じつはこの試遊が初体験。その影響も多分にあるだろう。 非常に短絡的な結論を先に書いてしまうが、このゲームはすっげえ速くておもしろい。 しかもこれ、13年前に発売されたタイトル(『ソニック ジェネレーションズ』)のリマスター作品と新作をセットにしたタイトルというのだから驚きである。このスピード感が13年前、いやそのもっと前からあったってこと……? ※2024年9月26日~9月29日に幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2024(26日、27日はビジネスデイ)で、セガ/アトラスブースにて試遊可能となっている 『ソニック ジェネレーションズ』は速度に身をゆだねるのが気持ちいい。爽快かつ自由なステージ攻略に熱中 正直、筆者はかなりビビっていた。古今東西、速いアクションゲームってのは、たいていそのぶん難しいってことになる。ソニックがとにかく速いゲームであることは知っていたので、じゃあそのぶん難しいんじゃないかと思っていたからだ。 でも、実際にプレイしていて感じたのは“難しさ”よりも“気持ちよさ”。とっさの判断が要求されてキビしい! なんてこともあまりなく、速度に身を任せるだけで不思議とガンガン進んでいく。 今回試遊できたのは“ケミカルプラント”。背景の工業都市がメカメカしくてステキ。 操作もかなり感覚的で、求められる操作といえば「目の前に敵!」と思ったらブーストで突っ込んだり、「足場遠い!」と思ったらジャンプしたりする、ぐらい。そこに複雑さはなく、少しの時間さわっただけで考えるよりも先に手が動くように。思っていたよりも敷居は低いと感じた。 それに、慣れてくるとこのスピード感がやみつきになる。青い残像を残しながらステージを駆け回るソニックの姿はとても爽快。ステージギミックが作動する音も小気味よく、ボイボイボイーンとソニックがジャンプ台に当たって高速で跳ねる音を聞くだけでも気持ちいい。ほかのアクションゲームでは感じたことのなかった、ソニックのスピード感だからこそ得られるよさが確かにある。 Act1では2Dアクション、Act2では3Dアクションと、同じステージを違う目線から攻略できるのもおもしろい。 ステージの分岐が多く、攻略の選択肢が豊富なのもおもしろい点だ。上からいくルートから落ちると、その下にはまったく別のルートが広がっている、みたいなパターンがステージの各所に仕込まれている。そのときどきでまったく違うギミックがあったりして、同じステージでも違うルートを選ぶことでまた新たな発見がある。 もちろん速さを競うなら、それぞれのコースで速度を検討したりするおもしろさもあるだろう。ひとつのステージにおける遊びの深さがしっかりとあるのが印象的だった。TGSでの試遊のあとに、どのコースで攻略したのかなどを話し合うのもおもしろそうだ。 スピード感を実感させてくれるようなカメラワークも印象的。見せかたひとつにも工夫が施されているゲームだと思う。 ここまで紹介したのは、おもに『ソニック ジェネレーションズ』からのリメイクされた部分。ほかにも本作からのアクションとして、地面に着地した瞬間にダッシュができる新アクション“ドロップダッシュ”やステージ内に隠れているチャオを見つけ出す“チャオレスキュー”なんて要素が追加されている。 そう、『ソニック × シャドウ ジェネレーションズ』はただのリマスター作品ではない。こういった新要素が盛り込まれている一作なのである。 時間操作&異形への変形! 新要素のシャドウがあまりにもかっこよすぎる その最たるものが、ダークヒーロー“シャドウ”を主人公とした完全新作である『シャドウ ジェネレーションズ』。時間を停止させる“カオスコントロール”に、異形の生物から力を借りた“ドゥームパワー”を使っての水上移動にマルチカオススピアなど、数々の技を駆使してステージを突破していくモードだ。 このマップは“キングダムバレー”。ステージ開始直後に鷲につかまって空中を移動する、なんてギミックも。 ステンドグラスに突っ込み破壊! いちいち移動の演出がイカす。 『ソニック』シリーズ特有の、スピード感満点なアクションが楽しめる……というのはもちろんのこと、そんなアクションの幅を“ドゥームパワー”によりさらに拡張したようなモードとなっている。 マンタのようなドゥームパワーに乗り、水面を切り裂きながらステージを進むドゥームサーフ、多数の敵を一気に攻撃できるドゥームスピア、そして吹き飛ばした敵に向かってワープするドゥームブラスト……今回体験できたのはこの3種類だけだったが、公式サイトを見るともっといろいろとありそうだ。 ドゥームサーフは水上で勝手に発動してくれる。左右に素早く移動しながらの攻撃も。 ドゥームスピアで敵の盾を一気に破壊。相手を行動不能にできるので、このあとの撃破も簡単に。 なかでもドゥームブラストは、敵を吹き飛ばす→吹き飛ばした位置までワープして追撃という長距離の移動が可能なアクションとなっており、プレイしていての爽快感がハンパじゃない。しかもコレ、敵を任意の方向に吹き飛ばしてからこちらの追撃が入るので……うまくセットアップして使えばステージ移動を大幅に短縮するような手段にも使えそうだ。 実際、コースにはドゥームブラストをうまく使わないと乗れないと思われる足場なんかが設置されていたが、そんな想定通りの生ぬるい使いかたではなく、もっととんでもない方法も隠されていそう。こちらは歴戦のタイムアタックプレイヤーたちに期待したいところだ。 敵に接近して……。 ラッシュを叩きこんでからぶっ飛ばす! そこからさらに追撃! 高速の乱打からつながる容赦のないコンボ、痺れるぜ。 そんなシャドウの新能力、ドゥームパワーももちろんだが……やはりシャドウといえばコチラも忘れてはいけないだろう。そう、“カオスコントロール”だ。この技は『ソニック』シリーズをそこまで知らない筆者も知っている。某大乱闘のおかげで。 こちらは敵を倒したり、アイテムを取ったりすることで発動に必要なカオスゲージがどんどん溜まっていき、最大まで溜まれば任意のタイミングで発動できる。周囲の時間を一定時間止めることができ、静止した時の中でシャドウだけが自由に動くことができる。大量の敵を一瞬でボコボコにすることもできれば、触れると爆発してしまうオブジェクトを、爆発する前にジャンプすることで足場にしてしまうようなヒネリの効いた使い方も可能だ。発動が任意だからこそ、プレイヤーの腕前が試される。 大量の敵に囲まれても……。 「カオスコントロール!」のかけ声とともに時を止めて 一気に殲滅! 緑のエフェクトも相まって最高にクールだ。 カオスコントロール発動時だけ見えるラインなんかもある。このカオスダッシュのように戦闘だけじゃなく、ステージ自体の攻略にも使える。 カオスコントロールはまさに必殺技という感じ。スッと時が止まる演出がかっこいいのもそうだが、なによりキメたいタイミングで発動できたときのカタルシスがものっすごい。 それをとくに感じられるのがボス戦だ。今回の試遊では通常ステージのほかに“バイオリザード”と“メタルオーバーロード”と戦うことができたのだが……そのどちらのボスも、戦いのさなかにカオスコントロールを使える場面があるのだ。 とくに、メタルオーバーロード戦がヤバい。コイツは体力を削り切る直前、最後の抵抗とばかりに巨大な艦船をこちらへ投げつけてくる。その艦船をドゥームスピアで粉々に砕いて避けるというのが通常の流れになるのだが、ここでカオスコントロールを使うことで、時間が静止しているあいだに、飛んでくる無数の艦船の破片を相手に撃ち返し、逆に大ダメージを与えることができるのである。 しかもこのアクション、専用のムービーまでついてくるのだからたまらない。いやいや、シャドウさん、ちょっとかっこよすぎやしませんか。 通常時はこんな感じで、ドゥームサーフを使いながら破片を飛ばして攻撃する。 艦船の破片をホーミングアタックで敵に撃ち返す。この動きもシンプルに気持ちいい。 時を止めて、相手に知覚されないうちに必殺の一撃を見舞う……なんてのは時間止める系キャラクターにおける古くからの伝統(※筆者調べ)だが、この演出はまさにソレ。感動のあまり大声を出して喜んでしまった。自分の家じゃなくセガのオフィス(大崎)なのに。 いやでも声出ちゃうよ、これ。本当にかっこいいのでぜひとも見ていただきたい。 『シャドウ ジェネレーションズ』はとにかく、ひたすらに、何度でも言うがシャドウがめっちゃくちゃにかっこよかった。異形を従え、時を支配し、ステージの中を縦横無尽に駆け回る黒い影。こんなの「かっけえ……」以外の感情を持つなというほうが難しい。 あと、そもそも声が遊佐浩二さんというのもズルい。一人称が“僕”なのもたまらん。 『ソニック』シリーズ由来スピード感満点のアクションが楽しいことは言わずもがな、そこへさらにシャドウ固有のアクションも追加され、遊びにさらなる拡張性を持たせた。製品版では、きっとさらにいろいろなことができるのだろう。『シャドウ ジェネレーションズ』を全力で遊べる日が楽しみである。 2024年9月26日より(一般会公開日は9月28日から)開催中の東京ゲームショウ2024でセガ/アトラスブースにて実際に遊べる。会場に来られた方は、ぜひともこのスピード感を味わってみてほしい。