「紅白初出場」を決めて西田敏行さんが漏らした「ありがとうな…」 元敏腕マネージャーが明かす秘話
訛りは福島への愛情
西田さんは晩年まで郷里・福島の訛りで話すこともあったものの、高校から東京の明治大学付属中野高に進んだこともあり、若いころから訛りは全くなかった。「本当に訛りがあったら、一流の俳優として活躍するのは厳しい」(舘野氏)。 それでも西田さんが訛りを口にしたのは福島への親近感と愛情から。2011年の東日本大震災のあとには何度も福島に入り、慰問を行った。 助演時代の西田さんが出演した「いごこち満点」は山岡久乃さんが経営する下宿の物語で、下宿人の1人が西田さんだった。7月にはやはり下宿人役の赤塚真人さん(没年73歳)も逝った。ともに名匠・山田洋次監督(93)に愛された俳優でもある。名優たちの早過ぎる死が続いている。 西田さんが1976年に結婚した元青年座研究生の寿子さんは賢夫人として知られる。仕事で留守が多かった西田さんに代わり、現在は40代の2人の娘を立派に育て上げた。 西田さんは急死だったものの、寿子さんは動じることなく、気丈に弔問客に対応している。 高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。 デイリー新潮編集部
新潮社