野党、尹大統領の「公認介入・国政壟断自白」認めるような発言に注目
尹大統領「総選挙の時も誰が良いと聞くと、人材スカウト委員会にパス」 民主党院内首席「選挙期間中にキム女史が尹大統領へのショートメールに代わりに返信していたのは その後の国政介入の情況を示す自白」
野党は7日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の記者会見を巡り、「公認介入とキム・ゴンヒ女史の国政壟断情況を自ら自白した」と攻勢に出た。尹大統領が事実上最後のチャンスまで不意にするほどの「意思疎通を拒む基調」を続けたことを受け、野党では「キム・ゴンヒ特検法」の処理を通り越して、政権早期退陣への手順は避けられないという見通しが強まっている。 この日、尹大統領の記者会見を見守った野党の反応は「惨憺たる気持ち」に近かった。尹大統領の支持率が「堤防」と言われる20%を切った中、キム・ゴンヒ特検法を受け入れるとか、野党との協力意志を示すなど、特段の対策が出てくるかもしれないと期待したが、尹大統領が全く変わらぬ態度を示したためだ。 共に民主党のパク・チャンデ院内代表はこの日午後に開かれた記者懇談会で「大統領の認識と態度は凄惨なものであり、これを見守る国民の心情は惨憺たるものだった。酒の席でもなかなか聞けないくらいしどろもどろな発言が相次いだという評価が出た」と述べた。祖国革新党のファン・ウンハ院内代表も記者会見で、「尹大統領は国民の与えた最後のチャンスまで逃してしまった」とし、「今や民意の台風に直面することになるだろう」と語った。 野党は特に、尹大統領が記者団との質疑応答の過程で、公認介入とキム女史の国政壟断疑惑を認めるような発言をしたことに注目している。最近、ミョン・テギュン氏との通話録音の公開で、2022年の再・補欠選挙の公認に介入した情況が明らかになったことに続き、尹大統領はこの日の会見で、「総選挙の時も、誰が良いと言われたら、そのまま(与党の)人材スカウト委員会にパス(伝達)した」と述べた。尹大統領就任後に行われた4月の総選挙当時、党に出馬者を推薦したという意味ともとれる発言だ。尹大統領はさらに、「外圧ではなく、意見を言うわけだから、『誰かを必ず公認してくれ』と言うこともある。だけど、過去にも大統領がそう言ったからといって(公認)されるわけではなかった」と述べた。 民主党のキム・ヨンミン院内首席副代表はこれについて、「これまで疑惑があっただけで、明確な介入の有無については分からなかったが、大統領が自ら(公認への介入を)自白してしまった」と主張した。野党は尹大統領の言葉どおり総選挙当時、与党に特定人物を推薦したとすれば、公務員の選挙介入を禁止した「公職選挙法第85条」違反の素地があるとみている。選挙法に詳しい野党関係者は「大統領より強大な地位の公職者はいない。大統領の意見表明は公認を求める指示として受け止められる」と語った。 大統領選挙前からキム女史が尹大統領に代わって携帯電話のショートメールに返信していたという尹大統領の説明も、やはり国政壟断の強力な情況証拠とみられるというのが野党の主張だ。キム院内首席は「選挙期間にキム女史が寝ずに当時候補だった尹大統領の携帯電話(のショートメールに尹大統領に代わって)に返信をしていたことは、その後続いた国政にもこのような形で介入した可能性があるという情況を示す自白」だと述べた。野党では(海兵隊員)C上等兵殉職事件の時「VIP激怒説」の震源地になったイ・ジョンソプ当時国防部長官と大統領室の通話が、キム女史とイ長官の間でなされた可能性があると主張してきた。 野党はこの日の会見が国民の怒りに油を注いだとみて、9日に開かれる都心ろうそく集会にさらに多くの人が集まると期待している。民主党の党役員は「集会参加規模が大きくなれば、与党もキム・ゴンヒ特検を要求する民意に再び背を向けることは難しいだろう」とし、「弾劾や改憲に向けた声もあがっているが、今は特検を通じて根拠を集めるのが最優先」だと語った。 オム・ジウォン、キ・ミンド、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )