<The追跡>地方32年ぶり地価上昇 過疎地域が急上昇のワケ【WBS】
地方圏では地価が32年ぶりのプラスとなりました。大きく上昇している場所では何が起きているのでしょうか。その背景を追跡しました。 ペンションや飲食店などが並ぶ長野・白馬村で人気のエコーランド地区。周辺の基準地価は1年前と比べて30.2%上昇し、商業地の上昇率で全国4位でした。 地元の不動産会社「さくら不動産」に勤める有井美彩さんに話を聞きました。 「不動産の取引状況としては非常に活況。今回のエコーランドやスキー場付近の土地は注目されている」(有井さん) 背景には不動産開発を目的とした投資があるといいます。大江キャスターが見つけた工事中の建物は12月にオープン予定の高級リゾートホテル。38室全てが分譲販売中のコンドミニアムで、購入者は使わない日を貸し出して運用できる物件です。物件価格は8000万円台~2億7000万円台ですが、販売は好調だといいます。
その理由の一つが、地価を見るとわかります。白馬村の地価は1平方メートル当たり5万2000円程度で、同じ長野県内の軽井沢町の34万円や、北海道ニセコエリアにある倶知安町の14万5000円と比べて割安なのです。 さらに有井さんによれば「最近ではスキー場を中心にグリーンシーズン(夏の期間)のアクティビティも人気」と言います。 白馬エリアでは6年ほど前から北アルプスの絶景を楽しめるテラスやカフェ、バギーや自転車を使ったアクティビティなど、雪の降らないシーズンを楽しめる施設やサービスを整備。4月~10月の観光客はコロナ前から25%増えたといいます。 「夏場も人が来ると投資もしやすい(大江キャスター) 「投資した部屋にたくさん泊まると、利益が上がるのでメリット」(有井さん) さらに大江キャスターが向かったのはスキー場のゲレンデです。その目の前で工事が進んでいました。 「こちらはどういう工事ですか」(大江キャスター) 「高級ホテルのファイブスターホテルが建設する『バンヤンツリー』というブランド。土地の面積としては3万3000平米、約1万坪ある」(有井さん) シンガポールを拠点とする五つ星ホテルのブランド「ファイブスターホテル」が2026年以降の開業を目指していて、相次ぐ開発が地価上昇を支えています。