囲碁の関西棋院第一位決定戦、余正麒第一位が8連覇 初戦落とすも連勝で瀬戸大樹八段制す
囲碁の山陽新聞杯第68期関西棋院第一位決定戦(山陽新聞社主催)の3番勝負第3局が28日、大阪市中央区北浜の同棋院で打たれた。余正麒第一位(29)が挑戦者の瀬戸大樹八段(40)に184手で白番中押し勝ちし、8期連続8度目の栄冠。通算8期の獲得は歴代2位タイで、自身の持つ最多連覇記録を更新した。 瀬戸八段が初戦を制し、余第一位が第2局でタイに持ち込み迎えた最終局。序盤から余第一位が右上辺の折衝で優位に立ち、下辺のせめぎ合いも制して着実にリードを築いた。中盤以降、瀬戸八段も粘り強く逆転の機をうかがったが、及ばなかった。持ち時間は各3時間で残りは余第一位が2分、瀬戸八段が1分。 台湾出身の余第一位は国内主要棋戦や国際棋戦で活躍し、囲碁界を代表する実力者の一人。瀬戸八段も本因坊戦でリーグ入りを重ねるなど関西棋院を代表する強豪で、初タイトルを狙って奮闘したが届かなかった。 第一位決定戦は1957年に始まった伝統の棋戦。今期は昨年10月から賞金ランキング上位者ら32人がトーナメントで争い、瀬戸八段が8月に挑戦権を得ていた。最終局までもつれたのは2014年の第58期以来で10年ぶり。