熊本市電トラブル多発、第三者委が検証開始 運転士らに聞き取りへ
熊本市電で相次いだトラブルを検証するため、市交通局が設置した第三者委員会は23日、熊本市中央区で初会合を開いた。トラブルの要因や背景、再発防止策などを協議する。7月に中間報告書、年内に最終報告書を取りまとめ、交通局の対策につなげる。 第三者委は学識経験者、鉄軌道の運行事業者、社会保険労務士、交通局OBの4人で構成。交通局で開いた初会合では、吉田道雄・熊本大名誉教授(社会心理学)を会長に選んだ。 吉田会長は「基本的にはヒューマンエラーだと思う。改善には現場の考えを取り上げることが大事」と述べ、トラブルに関わった運転士らへの聞き取りをする考えを示した。 初会合で交通局は、今年に入り続発したトラブル5件の概要や対策を説明。過去の事故の分析も示し、▽経験年数が短い運転士による事故の割合が高い▽右折する乗用車と接触するケースが多い-などと報告した。委員からは「運転士の年齢や経験年数を踏まえた対処が必要」「他社を見学してもらうのが一番の教育になる」といった意見が出た。
市電では1月以降、走行中にドアが開くなど事故につながりかねない「重大インシデント」を含むトラブルが3カ月連続で発生。市交通局は、乗務員教育や車両設備の管理徹底といった対策を打ち出したが、5月に入っても運転士が赤信号の確認を怠るミスが2件続いた。(臼杵大介)