【団塊ジュニア世代が65歳になる2040年】高齢化社会がさらに深まる可能性が高いことを知っておこう!
将来、日本社会では、高齢化が進んでいくと考えられています。これは、みんなが知っていることです。しかしながら、政府の推計がどのような数値を基に表されているか、正確に知っている人はほとんどいないでしょう。 そこで今回は、高齢化の具体的な数値を追いながら、高齢化社会をより身近なものとして捉えていきたいと思います。
2040年、団塊ジュニア世代が高齢者になると高齢化はさらに進む
高齢化の推移については、例えば「団塊ジュニア世代(1971~1974年に生まれ)」を中心に見るとイメージしやすいかもしれません。団塊ジュニア世代は今の年齢でいうと、おおむね49~52歳といったところです。今から16年後の2040年、団塊ジュニア世代は全て65歳以上となり、高齢者(65歳以上)の仲間入りをします。 令和5年版高齢社会白書から引用した、図表1「高齢化の推移と将来推計」によると、2040年の高齢化率(総人口に占める高齢者の割合)は34.8%で、総人口の3分の1以上が高齢者になると推計されています。 図表1
内閣府「令和5年版高齢社会白書」より引用 グラフを見ると、2035年から2040年にかけて、高齢化率が比較的大きく上昇していることが分かります。これは、団塊の世代の次に人口が多い団塊ジュニア世代が、2040年に65歳以上になるからです。 そしてこの年、65歳以上の高齢者を15~64歳までの人たち(生産年齢人口)が支える割合は、1.6%となっています。つまり、生産年齢人口1.6人で1人の高齢者を支える、ということになります。 もう少し時を進めると、今から26年後の2050年に、団塊ジュニア世代は全て75歳以上の後期高齢者になります。このときの高齢化率は37.1%であり、100人のうち約37人が高齢者という時代が訪れ、生産年齢人口が高齢者を支える割合は1.4%に低下します(生産年齢人口1.4人で高齢者1人を支える)。 そして、その5年後の2055年、団塊ジュニア世代はおおむね、2023年時の男性の平均寿命である81.05歳に到達します(厚生労働省「令和4年 簡易生命表の概況」より引用)。このときの高齢化率は37.6%となっています。 ここからさらに5年が経過した2060年、団塊ジュニア世代は全て85歳以上になっていますが、この年の高齢化率は37.9%と推計されています。そしてまたその5年後の2065年、団塊ジュニア世代は全て90歳以上となり、高齢化率は38.4%に達します。 このように見ていくと、団塊ジュニア世代が高齢化を少しずつ押し上げていることに気づきます。当たり前ですが、人口の多い世代が年を取ると高齢化は進みます。