F1界の闇 なぜ可夢偉の無給問題が起きたのか?
困窮していたのはケータハムだけではなく、ケータハムと同様、2010年にF1に参入したマルシャも破綻を申請。2010年にF1に新規参入した3チームのうち、HRTはすでに2013年限りで消滅し、ケータハムとマルシャは存続を賭けて新しいオーナーを探すため、アメリカGPとブラジルGPを欠場する。 ほかにもザウバーとロータスも財政状況は芳しくなく、現在コンストラクターズ選手権でマクラーレンとランキング5位争いをしているフォース・インディアでさえ、メルセデスにパワーユニット代金を支払うのが厳しい状況となっており、第二のケータハム、マルシャがいつ出てきても不思議ではない。 F1が単なるスポーツではなく、経済と政治の戦いでもあると言われるゆえんもそこにある。そして、それも含めて、F1だということを、参加する者も、見ている者も自覚しておかなくてはならない。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)