8月8日に発生した“震度6弱”地震で初めて発表…「南海トラフ地震臨時情報」が出されたら私たちはどうすればいい?専門家が解説
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。8月10日(土)の放送では、東京大学名誉教授で評価検討会会長の平田直(ひらた・なおし)さんに「南海トラフ地震臨時情報」について伺いました。
8月8日(木)午後4時43分頃に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1、宮崎県日南市で震度6弱を観測した地震を受けて、気象庁は南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表しました。なお、この情報が発表されたのは運用が始まって以来初です。 南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象を観測した場合や地震発生の可能性が平時に比べて高まっているとされた場合などに、気象庁から発表される情報です。 地震の専門家などで構成されている「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」で会議され、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の3つの情報のどれかが発表されます。今回の地震では、3段階のなかの真ん中に位置する「巨大地震注意」が発表されました。 この「巨大地震注意」について、平田さんは「マグニチュードが7.0以上になったとき、または、ゆっくりすべり(スロースリップ)が普段とは違う場所で発生していることが確認されたときに出されます」と説明。 続けて「(『巨大地震注意』が出てから)1週間が経つと、普段と同じ状態に戻ります。つまり“少なくとも1週間はきちんとした対応を取ってください”という意味があります。また『巨大地震注意』が出されたときは“地震学的に地震が発生する可能性は高くなった”と認識することが重要で、“必ず避難をしなければならない”というほどではありませんが、普段から“いつ地震が起きてもいいように備えてください”と注意を促すための情報が『巨大地震注意』です」と解説します。 もし今後「巨大地震注意」の一段階上にあたる「巨大地震警戒」が発表された場合、地震が起きてからでは避難が間に合わない地域の方は“事前に避難”となります。一方「調査終了」の場合は、地震の発生に注意しながら通常の生活をおこないましょう。また、今回の南海トラフ地震臨時情報では1都2府26県707市町村に向けて出されました。改めて、どのエリアに出ているかを確認しておきましょう。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」8月10日(土)放送より)