久保建英のベンチスタートは「戦術的な判断」、ソシエダ指揮官が主張「私が常々言っているのは…」
レアル・ソシエダを率いるイマノル・アルグアシル監督が、24日に行われたラ・リーガ第2節のエスパニョール戦を振り返った。スペインメディア『マルカ』が試合後会見の様子を伝えている。 【動画】久保建英が圧巻の個人技から今季初ゴール! 18日に行われたラ・リーガ第1節ラージョ・バジェカーノ戦を1-2で落としたレアル・ソシエダは、敵地で同じく黒星発進となった昇格組のエスパニョールと対戦。試合はスコアレスで迎えた80分に、途中出場となった日本代表MF久保建英が魅せる。敵陣右サイドでパスを受けると、守備に寄せてきた2人の間をドリブルで抜き去り、ボックス右から左足を一閃。強烈な一撃を叩き込み、レアル・ソシエダに先制ゴールをもたらした。試合はこのまま1-0で終了し、レアル・ソシエダが今季初勝利を飾った。 試合後の会見にて、レアル・ソシエダを率いるアルグアシル監督は、「最も重要なのは試合に勝ったこと、そしてそれをクリーンシートでやってのけたことだ」と主張。開幕戦に敗れたことでフラストレーションを溜めているファン・サポーターも少なくはないが、次のような言葉で今のチームの“現在地”を説明した。 「正直なことを言うと、チャンピオンズリーグ(CL)に出場した時のようなクオリティを今のチームに求めるのは難しい。その理由は、開幕直後だからフィジカル面で完全に仕上がっていないこともそうだし、今のチームには新加入選手が多いこともそうだ。新しいチームは常に時間がかかるものなのだから。他の時期と比較するのは間違いだと指摘させていただきたい。チームが成長するために、時間をかけながらも試合には勝つこと大事であり、我々が今日したことは、まさに結果を出すことだ」 また、アルグアシル監督は決勝ゴールを挙げた久保にも言及。この日、久保はベンチからのスタートとなったものの、66分に元スペイン代表MFブライス・メンデスとの交代でピッチに送り出され、そこから大仕事をやってのけていた。久保の状態について問われたアルグアシル監督は「彼は開幕戦のラージョ戦で痛めており、交代を要求する寸前の状態だった」ことを認めつつも、ベンチスタートとした理由については「戦術的な判断だ」と明かし、次のように語った。 「今日は戦術の中で、セルヒオ(・ゴメス)と(シェラルド・)ベッカーをウイングの位置に置く必要があった。だが、私は常々、スタートから出る11名もベンチから出場する選手も、どちらも同様に重要だと伝えている。今日は彼自身がそれを証明してくれたんだ。嬉しく思うよ」 一方で、久保が見せたゴールパフォーマンスにも注目が集まっている。久保は“ゴラッソ”を叩き込んだ後、駆け寄ってきたチームメイトに目もくれず、両手を耳の辺りに当てて自らの存在をアピールした。これが、交代出場に対して不満を示すものだったのかを尋ねられたアルグアシル監督は、「多くの選手はカメラの前で自分の名前や存在なんかをアピールするよね。彼は“特別な誰か”に捧げる意図があったんじゃないかな」と言葉を濁した。この“特別な誰か”については、「彼に直接聞いてみるといいさ」と話すにとどめている。 久保の活躍もあって今季初白星を手にしたレアル・ソシエダは、28日に次節のラ・リーガでホームにアラベスを迎える。
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