熊本の酪農と食卓支えて70年 らくのうマザーズ 看板商品の牛乳も50周年 生産者減も集荷量は堅調
それでも生乳生産量(集荷量)は堅調に推移している。搾乳技術の向上や酪農家の規模拡大を背景に、ここ数年は年25万~26万トン程度を確保。10年前と比べても数%増えている。 自社工場での生乳の「処理量」も増えている。23年度は約9万6千トンで14年度に比べると4割増だ。大手スーパーのプライベートブランド牛乳向けや大手コーヒーチェーン向けなどの需要増が後押ししている。 今夏は猛暑の影響で乳牛の乳量が減り、生産が追いつかなくなる時期もあった。獣医師でもある小池泰隆常務理事は「暑熱対策や自給飼料の生産拡大など、品質向上や生産基盤強化に向けて酪農家のサポートにさらに力を入れる」と強調する。 和水町で長男(41)と一緒に乳牛や子牛計80頭を飼育する酪農家の大村英治さん(67)は「互いに支え合う組合があったからこそ、県内の多くの酪農家が続けてこられた」と振り返る。県酪連の副会長も務めており、「次世代が希望を持って酪農を続けていける環境をつくっていきたい」と今後を見据えた。(山本文子、馬場正広)