一定の英語の知識があるのに「リスニングが苦手」と感じる<2つの要因>とは…途中で構造や単語を悩めば簡単に置いていかれる
◆スピードに追いつけない もう1つの要因は音声としては正しく認識できていても、理解するスピードが相手の話す英語のスピードに追いつかず聞き取りが阻害されるというパターンです。 英語の音声を聞いたり、動画を視聴したりしている際に、はっきりした発音で聞き取りやすいと感じていたのに、徐々にどこがどこにつながっているのかが曖昧になり、自信をもってついていくことができなくなった、という経験をしたことはないでしょうか。 こういう場合は、理解のスピードが原因になっています。 試しに次のNHK world のあるニュースの冒頭の箇所を書き起こしたものを少し急ぎ足で読んでみて下さい。 Steve Jobs needs no introduction. As founder of Apple, he came up with amazing products and technologies that changed the world, from the Macintosh computer to the iPhone and the iPad. “What Steve Jobs discovered in Japan” NHK WORLD-JAPAN
◆簡単に置いていかれてしまう 訳例 「スティーブ・ジョブズ氏は紹介は不要でしょう。アップル社の創業者としてマッキントッシュやiPhone、iPad といった世界を変える驚くべき製品や技術を生み出しました。」 本記事の読者であれば、じっくりと読んでもこの英文の意味が全く分からないという方は少ないと思いますが、急ぎ足で読むとなると、第2文は少し修飾語句が多くなっているために、途中でほんの一瞬考えるといったことがあったかもしれません。 実際のニュースではこの第2文を約12秒で発音しているため、少しでも途中で構造を考えたり、この単語は何だっけなどと悩んだりすると簡単に置いていかれてしまいます。 まさに英語を理解する速度がネックになってリスニングがうまくいかないパターンです。 ※本稿は、『英語の読み方 リスニング篇-話し言葉を聴きこなす』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
北村一真