午後3時のドルは152円前半、ポジション調整で小幅高 米大統領選控え
Mariko Sakaguchi [東京 5日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(152.13/15円)から小幅高の152円前半で取引されている。米大統領選挙を控えて様子見姿勢が広がる中、ポジション調整や需給面でのドル買いが優勢となった。 朝方は、共和党候補トランプ前大統領の返り咲きを見込んだ「トランプトレード」の巻き戻しでドル売り/円買いが強まった海外市場の流れを引き継いで始まった。 仲値公示に向けてはドルはじり高で推移。五・十日にしては実需のフローは少なかったとみられるものの、「新NISAに絡んだ個人投資家の外貨買いに支えられたようだ」(国内銀の為替セールス担当)という。 その後、ドルは152円前半で推移。一時152円半ばまでじわじわと買われる場面があったものの、5日投開票の米大統領選の結果を見極めたいとの見方から模様眺め姿勢が広がった。日中の値幅は43銭にとどまった。 米大統領選は、2日に公表されたアイオワ州の世論調査で、民主党のハリス副大統領の支持率が共和党のトランプ前大統領を上回ったことが明らかとなるなど接戦が続いている。 ドルの乱高下を警戒する市場参加者が多い。オーストラリア・ニュージーランド銀行の外国為替・コモディティ営業部ディレクター、町田広之氏は、トランプ氏が勝利した場合は「ドルが155-160円で推移する」とし、関税引き上げと財政拡大を背景としたインフレ懸念から米金利が上昇し、ドル高が進むとみる。 一方、ハリス氏が勝利すれば「円高方向に向かうものの、150円割れではドルの買い戻しが入りやすく、150円ー155円で推移する」との見方を示す。 米大統領選と同時に実施される連邦議会選にも市場の関心が集まる。トランプ氏が勝利し、共和党が議会選で過半数の議席を獲得するとの見方が強まれば、「市場は国内のインフレ再加速の織り込みを進め、ドルは一段高となる可能性がある」(前出の国内銀の為替セールス担当)。一方、ねじれ議会となれば、政策を打ち出しづらくなるとみられ、「ドル高進行に対する警戒感は和らぐ」(同)という。 仮にドルが155円を超えて上昇した場合は、政府・日銀による為替介入への警戒感が強まる可能性があるほか、円安進行に伴う物価上振れリスクから、日銀の追加利上げが意識されやすい。 また現状では米連邦準備理事会(FRB)の利下げ方向に変化も見られない。このため、「米大統領選でドルは一時的に激しい値動きとなるものの、その後は日米金利差に関心が再び集まり、ドルは徐々に上値が重くなるのではないか」と、ステート・ストリート銀行の東京支店長、若林徳広氏は予想する。 オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、政策金利を12年ぶりの高水準となる4.35%に据え置いた。市場では予想通りと受け止められ、豪ドルへの影響は限定的だった。 ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 午後3時現在 152.42/152.43 1.0878/1.0879 165.81/165.83 午前9時現在 152.28/152.29 1.0873/1.0874 165.58/165.60 NY午後5時 152.13/152.14 1.0877/1.0878 165.46/165.49