「ゴルフ」を思い出させる好印象 トヨタC-HR 2.0ハイブリッドへ英国試乗 オシたくなる走りと燃費
称賛に値するトヨタのデザイン力
新しいトヨタC-HRは、流行りのジャージのようにファッショナブル。見慣れた楕円の「T」ロゴが付いているものの、スタイリングは斬新で、カラーリングは鮮やか。トヨタというブランド抜きに、デザインで欲しいと感じる読者もいらっしゃるだろう。 【写真】「ゴルフ」を思い出させる好印象 トヨタC-HR 競合クラスのクロスオーバーは? (139枚) 細かな処理には、賛否両論あるかもしれない。だが、先代のC-HR以上の個性を与えることに成功したトヨタのデザイン力は、称賛に値する。少なくともプロポーションは、誰が見ても均整が取れていると感じられると思う。 AUTOCARでは既に2代目C-HRへ試乗しているが、今回は英国の一般道。これまでの印象通り、動的能力に優れることを確かめられた。オーナーの個性を発揮できるオプションも数多く用意され、このクラスのクロスオーバーでは有能な1台に数えられる。 全長は4360mmで、4236mmのフォルクスワーゲンTロックと、4425mmの日産キャシュカイ(旧デュアリス)の中間。だが、価格は大きい方へ合わせられており、英国仕様の2.0Lハイブリッドは、プリミエール・グレードで4万ポンド(約740万円)を超える。 エントリーグレードの1.8Lハイブリッドでも、3万4685ポンド(約642万円)から。実際、残価設定型プランの月払い金額も、英国ではキャシュカイに並ぶ。ターゲット層も、大きい側へ設定されているようだ。
ゴルフを思い出させる好印象な走り
この価格帯で比べてしまうと、C-HRはリアシート側の空間が少し狭く感じられてしまう。荷室も容量が小さく、使い勝手で勝るようには思えない。 それでも、シャシー性能はクラス・トップレベル。パッケージングを理解し、自分好みのカラーコーディネートを指定すれば、見た目以上にドライバーの気持ちを満たしてくれるはず。 その走りは、抜きん出ていた時代のフォルクスワーゲン・ゴルフを思い出させるほど。低い速度でも高い速度でも乗り心地は快適で、ステアリングホイールには適度な重みがあり、反応は性格。普段使いの範囲でも、運転が楽しいと思える。 ゴルフと同じく、ドライバーが本気を出しても強い興奮を誘うことはない。それでも、落ち着きを保ち、長距離を安楽に移動できる能力には唸らされる。クロスオーバーだからと、妥協するポイントはない。 近年のトヨタは、デザインが良くなった。だがそれ以上に、動的な品質も大幅に改善されたといえそうだ。 インテリアも高評価。フロント側はドライバー中心にデザインされ、適度な包まれ感がありつつ、開放的で居心地に優れる。 シートは、背中部分のサポート性が若干弱いものの、座り心地は良い。ステアリングコラムと同様に、角度などの調整域は広く、体格に適した運転姿勢も探しやすい。