国民年金の納付期間が「5年延長」に?もしそうなったらどうなるの?
「近い将来、国民年金の保険料の納付期間が5年延長されるのではないか」という報道が、以前から一部のメディアでなされています。果たしてそのうわさは本当なのでしょうか。また、もし5年延長になったとしたら、私たちの暮らしにはどのような影響があるのでしょうか。考えていきます。
現状の国民年金制度は?
まずは日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」を基に、現状の国民年金の制度について確認していきましょう。現状、国民年金の保険料は、原則として20歳から60歳までの40年間(480月)納付しつづけることになっています。そして、40年間支払いつづけることで、国民年金(老齢基礎年金)を65歳から満額を受け取れるようになっています。 国民年金は令和5年度の年金額を例にすると、満額で年間79万5000円が支給されることになります。 ※出典:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」 もし、支払ってきた保険料が480月分に満たない場合、その分支給される国民年金の額も少なくなります。 例えば、保険料納付済月数が420月だった場合、支給される額は480分の420になるため、69万5625円となるわけです。
国民年金保険料の納付期間が5年延長されるのは本当?
以前から「国民年金保険料の納付期間が、現状の40年から5年間延長され、45年になる」とうわさされています。このうわさが現実のものとなる可能性は、決して低くありません。 その根拠の一つに、2019年の財政検証結果があります。年金は5年に1回財政検証が行われ、それを基に今後の流れが決まります。 そこには、国民年金保険料を45年間拠出延長することが、年金の給付水準を確保することに有効だと記載されています。 実際2023年10月には、国民年金の保険料の納付期間を5年延長する案について本格的な審議がされており、賛成する意見が多数との報道もされています。 そもそも、過去60歳から支給されることになっていた年金は、平成6年の改正によって、原則65歳から支給されることになっています。 これらを踏まえると、国民年金保険料の納付期間が5年延長される可能性は十分にありそうです。具体的な時期は、次回の財政検証が行われるであろう2024年に決まると想定されます。