ハイチュウ、ポッキー… なぜ日本のお菓子が海外で人気なのか?
森永製菓(東京都港区)の「ハイチュウ」、江崎グリコ(大阪市)の「ポッキー」、明治(東京都江東区)の「カール」など、日本人の多くが子どもの頃から慣れ親しんだお菓子が今、海外の人たちの人気を集めている。どうして今、日本のお菓子が海外で受けているのだろうか? ■メジャーリーガーに愛される『ハイチュウ』 昨年、世界一に輝いたメジャーリーグ・ボストンレッドソックスの本拠地「フェンウェイパーク」。緑鮮やかな天然芝が広がるフィールドと、観客席を隔てるフェンスの一角に、日本人になじみ深いお菓子の赤い看板が掲げられていた。「HI-CHEW(ハイチュウ)」。言わずと知れた、森永製菓のソフトキャンディーだ。 このハイチュウが今、東海岸のメジャーリーガーたちを虜にしているらしい。現地の報道や同社によると、レッドソックスの田澤純一投手が球場に持参したところ、他の選手たちは「食べたことのない味だ!」と大喜び。やがて球団と森永の現地法人はパートナーシップの契約を結ぶに至った。レッドソックスだけでなく、ニューヨークヤンキースでも、黒田博樹投手が持ち込んだのがきっかけで、チームメイト内に愛好者が続出しているそうだ。実は、『ソフトキャンディー』というジャンルのお菓子は海外にはなく、数年前から日本のお土産として喜ばれていたが、メジャーリーガーが気に入ったことで広まっていった。 こうした盛り上がりもあり、ハイチュウの現地生産が決まり、森永製菓は2013年12月にノースカロライナ州メベイン市に生産子会社を設立。今年6月5日に行われた工場の地鎮祭では、州知事まで駆けつけ、地元で大きく報じられたという。この工場は1年後の2015年中ごろから稼働し、アメリカ生まれのハイチュウが産声を上げる予定だ。 森永製菓の担当者は、人気の理由について「かみ心地の良さと、フルーツの味が持続することが受けているようですね」と説明する。ただ、「ここまでの人気の背景って何なんでしょうね…」と、予期せぬフィーバーに少し驚き気味だ。