アルツハイマー病新薬レカネマブ、欧州で承認勧告 再審議で条件付き
欧州連合(EU)で医薬品の審査を担う欧州医薬品庁(EMA)の評価委員会は、製薬大手エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」の販売を承認するよう勧告した。両社が15日発表した。 【図表】【そもそも解説】アルツハイマー病新薬「レカネマブ」、その実力は? 委員会は7月にレカネマブの承認に否定的な見解を採択していたが、エーザイの求めを受けて再審議していた。副作用のリスクが低い患者を対象とする条件付きでの承認を勧告した。 レカネマブは、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβを除去する働きがある抗体薬として国内で初めて承認された新薬。日本のほか、米国や中国などで承認されている。 委員会は7月、一部の患者で入院を必要とする重篤な脳内出血がみられたと指摘、「治療の利益はリスクを上回るほど大きくない」と結論づけていた。再審議の結果、副作用のリスク増大に関連する遺伝子を持っていないか、一つだけ持っている患者に対象を絞れば、「症状の進行を遅らせる利点は、リスクよりも大きい」と評価した。 今回の勧告を受けて、EUの欧州委員会がレカネマブを正式に承認すれば、加盟各国が保険適用や価格を判断する。(林義則)
朝日新聞社