【緊急避妊薬】「早くどうにかしなきゃと…」薬局で“買えなかった”女性たちの切実な声──薬局販売この先どうなる?
日テレNEWS NNN
2023年11月から試験的に薬局で販売されている緊急避妊薬。しかし、販売する薬局は全国に145軒にとどまり、価格も7000円~9000円と高額です。薬局で買おうとしたけれど“買えなかった”人に話をきいてみると、緊急避妊薬を求める女性の切実な思いがわかりました。報道局ジェンダー班の庭野めぐみ解説委員と、厚生労働省担当の馬野恵里花記者が深堀りトークします。
■オンライン診療も便利とは限らない?薬局で緊急避妊薬を買えるとどうなる
社会部 厚生労働省担当 馬野恵里花記者 「10日、緊急避妊薬の薬局での販売の実現を訴える団体が集会を開き、今行われている試験的販売に関するアンケートの結果を公表しました。実際に買った人、買いたかったのに買えなかった人などの切実な声が明らかになりました」 報道局ジェンダー班 庭野めぐみ解説委員 「一応、緊急避妊薬ってどういったものか、改めて説明をお願いします」 馬野記者 「緊急避妊薬とは、性行為があってから72時間以内に服用すると、高い確率で妊娠を防ぐことのできる薬です。日本では現在、原則医師の処方箋がないと手に入れることができず、また、価格も保険適用外なので平均で1万5000円くらいと高くなっています。世界では90の国や地域で、医師の処方箋なしで薬局で買うことができ、価格も数百円~数千円です」 「コロナ禍では時限的、特例的にオンライン診療も可能となったんですが、緊急性を要する薬なので、郵送の時間などを考えると受診を早くする必要がありますよね。なので依然として入手のハードルが高いのが現状です」 庭野解説委員 「オンラインだと便利に思えるけれど、届くまでに2日、3日かかるとなると、72時間以内に飲まないとだめなお薬なのにギリギリになったり、間に合わなかったりということがありますね」
■「日曜日に必要になって…」試験販売で買おうとしたけど“買えなかった”女性は…
馬野記者 「市民団体が実施したのは、去年11月からの試験販売で“緊急避妊薬を買った人”だけでなく、“買おうとしたけど買えなかった人”も含めたアンケートの結果です」 「アンケートに答えた人に話を聞きました。ある20代の女性は、土曜日に緊急避妊薬が必要になりました。その日は午後から仕事の都合で出張があったため、早く手に入れなければならず薬局で買おうとしたそうです。しかし、購入にむけた手順がわからず、時間もかかりそうだと感じたため断念。結果的に近所のクリニックに行くことにし、9件問い合わせて、ようやく受診できるところが見つかり、緊急避妊薬を処方してもらえたということです」 「一方、都内に住む20代の女性は、日曜日に緊急避妊薬が必要になったそうです。近所に日曜日に受診できるクリニックがなく困ってたところ、ニュースで見て知っていた薬局での試験的販売のことを思い出し、どこで売っているか検索しました。『本当に焦りもあって、売っている薬局の情報にたどりつけなくて。早く飲まないといけない薬なので』と、困った女性は近所のドラッグストアなどにも問い合わせをしました。しかし、今回の試験的販売の対象の薬局は限られているため、ドラッグストアでは買うことができず、結果的に薬局での購入はあきらめ、隣の区の開いていたクリニックを受診し、薬を処方してもらったそうです」 「女性たちは、『72時間以内に飲まないといけないとか、時間がたつと避妊効果が薄れることを考えると、早くどうにかしなきゃとおもった』『特に土日はクリニックがやっていなかったり、完全予約制ですぐにいけないこともある。多くの薬局で買えるようになるとだいぶ安心材料になると思う』『様々な状況に対応できる薬剤師の確保も課題だと思うので、そこも含めて良い方向に進んでいってほしい』と話していました」 庭野解説委員 「期待したけれど、結局買えなかったっていう声が深刻ですよね。今も、試験的な販売というのは行われているんでしょうか」