横断歩道の白線8本→5本に…コスト削減、事故防止効果も視覚障害者は「混乱してしまう」普及に課題 福島
小野寺さんは生まれつき弱視で、普段横断歩道を渡るときは白杖で地面に触れた感覚を頼りにしています。ただ、白線の間隔が広がることで、横断歩道の場所が認識しづらくなってしまうことが不安だと話します。 県立視覚支援学校高等部・小野寺陽大さん(17)「白線と白線の間が広いので、止まってしまう。ここで横断歩道終わりなのかなって(思うから)、できれば今の幅のままの横断歩道も残してほしいと思う」 小野寺さんは、色々な白線の幅の横断歩道があると、視覚障害を持つ人は混乱してしまうと危惧していました。 ■白線の間隔を広げられる条件は 警察庁も、当初は全ての横断歩道を対象に間隔を広げられるようにする予定でしたが、視覚障害者の声を受けて、基本的には音が鳴る「音響信号機」や「エスコートゾーン」と呼ばれる誘導用のブロックがある横断歩道のみに限定することにしました。 この2つは、白線の間隔を広げるための「事実上の条件」になっていて、今回、白線が広げられた福島高校前の横断歩道にも、この2つは備えられています。 一方で、県警によりますと、音響信号機は県内に397か所、エスコートゾーンに至っては26か所しかありません。 メリットは大きいものの、導入できる場所はまだまだ限られていて、普及には課題が残るのが現状です。県警では、今回導入された横断歩道の利用者の声や状況を見て、今後、白線の間隔が広い横断歩道を県内で増やしていくか、検討するということです。
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