日本随一の購買力の街「港区」が面白い!
佐藤:そうですね。森美術館は学校に無料でツアーを提供するスクールプログラムを実施していて、参加率が高いのはやはり港区の小学校だそうです。小学校で6年間本物のアートに触れ続けたら、間違いなく文化資本が高くなるでしょう。そういう子どもたちが港区で育ち、事業を行い、富と文化が再生産される構図が見えました。「東京カレンダー」の編集長の取材も面白かったですね。
林:「東京カレンダー」が果たした役割は大きいね。六本木とか渋谷とかのくくりでなく、「区」で語れるのは「港区」くらい。彼らの発信によって「港区」が記号的な意味合いを持つようになってきた。作家の麻布競馬場が描くような、格差社会のマウントの取り合いや憧れ、ルサンチマンも含め、ギラギラキラキラの象徴になったよね。興味深いエリアだなと改めて思いました。