オムニコム、インターパブリック買収で合意-広告世界最大手の誕生へ
(ブルームバーグ): 広告大手の米オムニコム・グループは、同業インターパブリック・グループを買収することで合意した。新会社は英WPPを抜いて、売上高で世界最大手に躍り出る。
合意では、インターパブリック株主は普通株1株につき、オムニコム株式0.344株を受け取る。ブルームバーグの算出によると、オムニコムの6日終値103.427ドルに基づくと、買収規模は1株あたり35.58ドル、負債を除いた総額で133億ドル(約2兆円)相当となる。正式な買収価格は、取引完了時点のオムニコムの株価に基づいて算出される見通し。
完全希薄化ベースで、オムニコム株主は新会社の60.6%、インターパブリック株主は39.4%をそれぞれ所有する。両社は合併により、コスト面で年間7億5000万ドルのシナジー効果を見込んでいる。
広告大手はアルファベット傘下のグーグルやメタ・プラットフォームズなどの米ハイテク企業からの圧力に直面しているほか、広告業界が手がけるクリエーティブな仕事の多くを生成人工知能(AI)が取って代わると専門家はみている。
両社の合併計画については、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。モフェットネイサンソンは報道を受けたリポートで「2つの強力なライバル企業」による合併計画は、広告代理店がコスト削減と能力縮小を迫られていることを示唆していると指摘。「われわれは大きな時代の変化の瀬戸際に立たされているようだ」と記述した。
2023年の実績に基づくと、両社の年間売上高は250億ドル超。現在トップのWPP(約189億ドル)を大きく上回り、世界最大手の広告企業が誕生する。
原題:Omnicom to Buy Interpublic in Deal Creating Top Ad Agency (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Fareed Sahloul, Mark Bergen