賃貸と持ち家、どっちがいい?老後生活で安心なのは…住宅の専門家が考察してみた
賃貸と持ち家、どちらがメリットが大きいのかは、老後生活を考えるうえでたびたび話題となります。 ◆持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較 総務省統計局「令和2年国勢調査」によると、「持ち家」は3372万9千世帯(住宅に住む一般世帯の61.4%)と最も多い結果となりました。 次いで「民営の借家」が1633万1千世帯(29.7%)、都道府県営住宅や市町村営住宅の「公営の借家」が 190万2千世帯(3.5%)、社宅や公務員宿舎などの「給与住宅」が 155万2千世帯(2.8%)、「都市再生機構・公社の借家」が74万7千世帯(1.4%)となっています。 2015年と比べると「持ち家」の割合は62.3%から61.4%に低下しており、持ち家に住む人がやや減少しています。 「持ち家」とは注文住宅や建売住宅、分譲マンション等の自分で所有している家のことをいい、「借家」とはオーナーに家賃を支払って借りている賃貸住宅のことを指します。 国内では、「今は賃貸住宅に住んでいてもいつかはマイホームを購入したい」と考えている方が多く、持ち家は大きな資産になるとみられていますが、実はメリットばかりではありません。 そこで本記事ではそれぞれのメリットとデメリットを紹介すると共に、老後も安心して住み続ける場合にはどちらが適しているのかを考えてみたいと思います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
持ち家のメリットとデメリット
持ち家の主なメリットとデメリットには次のようなものがあります。 ●持ち家のメリット ・住宅ローンを完済すれば住宅が資産として残る 住宅が自分の資産になるのでステイタスになるばかりでなく、将来お金が必要になった時に売却できたり、金融機関から融資を受ける際の担保にしたりすることができます。 ・老後の負担が軽減する 毎月家賃を支払い続ける必要がないので老後も住む場所に困ることなく、安心して生活することができます。 ・自由にリフォームすることができる 持ち家は法律を遵守すれば自由にリフォームすることができるので、ライフスタイルや家族構成の変化にも柔軟に対応することができ、住み慣れた家に長く住み続けることができます。 ●持ち家のデメリット ・初期費用がかかる 物件購入のための頭金に加えて住宅ローン費用や不動産取得税、登記手数料、物件仲介手数料などの諸費用が必要になります。 ・簡単に住み替えることができない 住宅ローンが残っている場合には売却しても債務が残ってしまうので、一度持ち家を購入すると転勤や家に不満が出てきたときでも簡単に住み替えることができません。 ・メンテナンスに費用がかかる 家には外壁の塗り替えや住宅設備の交換などの定期的なメンテナンスが不可欠ですが、持ち家の場合にはこれらの費用は全て自己負担となります。 ・固定資産税などの税金がかかる 持ち家を購入すると毎年固定資産税や都市計画税などの税金を支払う必要があります。