車いすで国宝拝観、高齢者ら気軽に 富山県高岡市の勝興寺、初のバリアフリー企画
障害のある人や高齢者に気軽に外出してもらおうと、国宝勝興寺(高岡市伏木古国府)をバリアフリーで拝観できるイベントが29日、同寺で初めて開かれた。参加者はスロープが設けられた境内を車いすで見学し、同寺の歴史や魅力を満喫した。30日まで。 高齢者らの外出支援や地域活性化につなげようと、福祉用具レンタル・販売のハピネス(同市野村)が企画。同社と勝興寺文化財保存・活用事業団、ヤマ自動車(同市伏木一宮)、全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス高岡野村」でつくる地域観光バリアフリー支援プロジェクトが実施した。 この日、参加者はキャンナス高岡野村のメンバーの介助を受けながら、国宝に指定された本堂と大広間・式台をじっくりと見て回った。電動車いすで境内を移動する体験もあった。 普段は歩行器を使用しているという射水市港町(新湊)の高木一昭さん(81)は車いすに乗って、約20年ぶりに同寺内を巡った。「バリアフリーがあったから拝観できた。簡単に見学できれば、訪れる人が増えると思う」と話した。