「HIEN」がSwissDrones AGのヘリ型無人航空機「SDO 50 V3」を販売へ
二重反転プロペラを採用したヘリ型UAV
2024年7月16日、HIEN Aero Technologies株式会社は、スイスの無人航空機メーカーSwissdrones AGと、ヘリコプター型タービン無人機「SDO 50 V3」の販売に関するパートナー契約を締結した。「SDO 50 V3」は、飛行時間3時間と42kgのペイロードを誇り、物資輸送や施設監視など多様なミッションに対応が可能だ。 【写真】SwissDrones社の製品をもっと見る 今回、日本での販売が開始された「SDO 50 V3」は、ガスタービン駆動のヘリコプター型無人航空機で、2013年の販売開始以来、世界各国で実用機として利用されている。 欧州各国での目視外飛行許可を取得し、米国ではFAAより米国全土での目視外飛行認可を得た最初の無人航空機(離陸重量55ポンド以上)としても有名で、スペックは最大飛行時間3時間、最大42kgのペイロードを誇る。 物資輸送、施設監視、洋上監視、地形観測など、多様なミッションに対し、ドローンでは実施できない高ペイロード、長時間のミッションから、有人ヘリコプターのミッションの一部を代替する即戦力として投入できる機体だ。 特徴としては、インターメッシングローター(交差二重反転プロペラ)により高い浮上効率とテールローターレスを実現しているほか、自動操縦システムの採用で目視外飛行実績が豊富なことが挙げられる。 【主要諸元 SDO 50 V3】 ・ローターシステム:インターメッシング(交差二重反転)方式 ・ローター直径:2 x 2.82 m (9’3”) ・エンジン:小型ガスタービン1基 ・機体寸法(L×W×H):2.32m x 0.7m x 0.92m ・乾燥重量:45 kg (99 lbs) ・最大ペイロード:42 kg (93 lbs) (燃料含む) ・最大離陸重量:87 kg (192 lbs) ・最大飛行時間;3.1 hours ・最大運用高度:3,000 m (10,000 ft) AMSL ・最大大気速度:20 m/s, 72 km/h ・最大運用範囲:100 km (62+ mi) ※通信環境、ペイロードによる ・価格:未定
HIEN独自開発のeVTOL機にも注目
HIENは2021年創業の「eVTOLメーカー」で、現状のeVTOLに共通の課題として立ちはだかる航続距離問題をガスタービンエンジンによるハイブリッドシステムにより解決するべく、eVTOLの開発にも取り組んでいる。 現在公開されている情報によれば、多目的UAVの「HEIN Dr-One」、レジャーなどに使える2人乗り自家用eVTOL「HEIN 2」、エアタクシーなど事業用の6人乗りeVTOL「HEIN 6」、大型eVTOLで10人乗りの「HEIN 10」のコンセプトが発表されているので、こちらについても今後の展開に注目が集まることだろう。