恋愛に対して冷めているのは私も同じ 映画「花芯」で新境地 村川絵梨
園子のような女性が好きと言う村川だが、実際に園子との共通点はあったのだろうか。 「私自身もとくに結婚や恋愛にロマンを感じるタイプではなくて、そのあたりが園子と同じだなと。『これは愛じゃなくて恋』『私が死んだら子宮だけ焼け残るのではないか』とか恋愛に対して冷めているような言葉とか平気で言ったり、うぬぼれきれないところとか恋愛に対して常に冷静でいられるし、終わりだなという瞬間を察して、急に冷血になるときもありましたね。楽しいなって思ってるときがあっても、あまりのめり込まない、自分が一番大事だと思っているのかも。相手に尽くすとか、相手が幸せなのがいちばん、『あなたのために』というのがなくて、自分がかわいいのでしょうね。いまのところは仕事一筋……、なのかもしれません」
園子の”強さ”を感じるシーンに注目
「結納を交わすシーン。日本の古いしきたりを描いているところも珍しくぜひ注目してほしいのですが、そこでは親の手を握っていないんです。別に反骨しているわけではないんですけど、自分の力で生きていきますという心の強さが現れています。あと夫婦が向き合って話をするシーン。台本を読んだときから、旦那に対してグサッと刺さるようなセリフの数々に『なんてこというんだ!』って思いながらもシビれましたね。こんなふうに男性を幻滅させる女性ってすごい、笑っちゃうくらい淡々と、失礼なことばっかり言うんですよ。大好きですけど」 撮影中はみんなでいい作品を作ろうという気概が強く感じられた。監督は鼻息が荒くなるほど、集中し真剣だったという。
園子と同様に”強い女性”という印象の村川だが、今まで演じてきた役とは全く異なるため、「挑む前は少し怖かった。できるかな」と思っていた。この映画の主演で新境地の役柄と演技を切り拓いた村川。今後の活躍が楽しみだ。 ■『花芯』8月6日(土) テアトル新宿他全国公開■ (C)2016「花芯」製作委員会、配給:クロックワークス、製作:東映ビデオ、クロックワークス、原作:『花芯』瀬戸内寂聴著(講談社文庫刊) 監督:安藤尋 脚本:黒沢久子 出演:村川絵梨、林遣都、安藤政信 /毬谷友子