鴨川の山口君枝さんが入賞 マーマレードのコンテスト(千葉県)
手づくりマーマレードのコンテスト「ダルメインWorldマーマレードアワード&フェスティバルinJapan」が開かれ、アマチュアの部に出品した鴨川市貝渚の山口君枝さん(73)の作品2点が銀賞、2点が銅賞を受賞した。山口さんは今回が初めての出品で、「出品者が多く受賞は諦めていたので、信じられない」と喜んでいる。 イギリス発祥のコンテストで、日本では、愛媛県八幡浜市が事務局を務める実行委員会が主催。プロとアマチュアの部があり、6回目となる今年のアマチュアの部には529人から過去最多の1544点の応募があった。 知人からコンテストの存在を聞いた山口さんは、5点を出品。外観や質感、香り、味などの審査の結果、かんきつ1種のカテゴリーで、ハッサク、デコポンのマーマレードがそれぞれ銀賞、スダチが銅賞、複数かんきつのカテゴリーでは、紅甘夏とハッサクが銅賞に選ばれ、「美しい仕上がりで、皮の処理も丁寧」などと講評を受けた。 「皮をできるだけ薄く刻むなど、見栄えにもこだわっている」という山口さん。マーマレードづくりに目覚めたのは、7年前。頂き物などの食べきれない酸っぱいかんきつの処理に悩み、ジャムにしたのがきっかけだった。 以降、ウメやプラム、ブルーベリー、イチジクなど、四季折々の果物でジャムをつくり、これまでにつくった種類は約20種類にも上る。普段は息子が経営する理美容店を手伝っており、ジャムにする果物は全て、お客さんらからの頂き物。1回に約1・5キロの果実を使い、月に4、5回はジャムをつくって、瓶に詰めてお礼。「おいしかった」という声を励みに、ジャムをつくり続けているという。 レシピは常に試行錯誤で、毎回、分量や煮詰め時間を調整し、「ジャム帳」にメモ。ノートは現在3冊目で、かんきつ類は皮の処理後にいったん冷凍し、煮るときは水を使わず濃厚に仕上げるなど、研究・改良を重ねている。 「瓶に詰めた時の色を見て、うまくいくと最高」。中学生の孫が、山口さんがつくるジャムのためにデザインしたラベルを貼って仕上げている。「レモン汁を入れるタイミングなど、つくり方一つで味や見た目が変わり、奥が深い。応援してくれる人たちのためにも、来年は金賞を狙いたい」と声を弾ませた。