【映像】“松井5敬遠”28年後の馬淵×林対談 選手に告げた「5敬遠は気にせずに」27年ぶり公式戦の舞台は神宮(第6回)
1992年夏の甲子園で明徳義塾が星稜の4番・松井秀喜に取った5打席連続敬遠策。高校野球史に刻まれた戦略などについて、明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督(64)と星稜(石川)の当時2年生遊撃手として出場した林和成監督(44)が語る、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」での高校野球監督対談。第6回は、27年ぶりに対戦した2019年11月の明治神宮大会での心境を語った。【構成/毎日新聞社 安田光高】 【写真特集】「松井5敬遠」明徳vs星稜の打撃記録を振り返る
「ワクワクした」名将との対戦に心躍った林監督
ともに甲子園は春夏計30回以上出場している両校。過去、公式戦での対戦は92年夏の甲子園のみだったが、練習試合で対戦したことはあった。 馬淵監督 (練習試合では)2回ありますね。1回目は高知の創立記念。星稜を高知が招き、メインは高知と星稜。前座で星稜と明徳義塾。あと1回は、鳴門工(徳島)のグラウンドで練習試合をやった。2回ともうちが勝たせてもらっています。 林監督 一度も勝たせてもらっていない(笑い)。 秋季地区大会を優勝した全国10校が集い、「秋の日本一」を決める明治神宮大会高校の部。1回戦で「5打席連続敬遠」以来の公式戦対決として注目を浴びた一戦は、8―5で明徳義塾に再び軍配が上がった。試合後、林監督は「あまり意識しないように(相手)ベンチを見ないようにした」とコメントした。
林監督 名将と呼ばれる馬淵監督と試合ができることで、ワクワクしていた。馬淵さんの試合のペースに持っていかれないように、ベンチ、監督を見ないようにしたが、どうしても意識してしまう。どういう指示を送るのか、チラチラ見ながら試合に入った。やはり意識しましたね。 対する馬淵監督も試合後、「27年ぶりに戦えて、私自身も忘れていたものを少し思い出せた。ありがたかった」と感慨深い様子だった。
馬淵監督 (もう)一度は公式戦で星稜と試合をしたいと思ってやっていた。周りから注目された分だけ、他校とやるより意識した。全国大会でやれるということで、選手には「過去の5敬遠とか、注目されることはあまり気にせずに普通にやっていこう」と言っていた。 明治神宮大会では、2回戦で優勝した中京大中京(愛知)に敗れた明徳義塾だが、星稜とともにそれぞれ課題を見つけて冬場の練習に取り組んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今春の第92回選抜高校野球大会は中止となったが、両監督はチームの仕上がりに手応えを感じていたという。