無罪主張の男に「死刑」求刑 検察「うそのストーリーで証拠と矛盾あればその都度上塗り」大分強殺
17日に行われた裁判員裁判で検察側は「被告の主張は言い逃れのための嘘のストーリー。残虐で極めて強固な殺意に基づく犯行。人命の軽視も甚だしい」などとして死刑を求刑しました。 一方で弁護側は被告の車の中から第三者の血痕が見つかっていることから第三者の犯行の可能性について指摘した上で、「犯人であることの決定的な事実はない」と改めて無罪を訴えました。 大分地裁の裁判員裁判で死刑が求刑されるのは初めてです。 裁判の取材を続けている山路記者です。 ◆TOS山路謙成記者 最大の争点は「佐藤被告が事件の犯人」かどうかという点です。 犯行には佐藤被告の車が使われたことが分かっています。 この点について佐藤被告は「事件当日プロレスマスクの男たちと合流し1人を車に乗せて現場近くに向かった」と説明しています。その後、「男たちから血の付いた服などが入った袋を処分してほしいと頼まれ、コインランドリーで洗って捨てた」としています。 こうした点について検察側は被告の供述が変化していることを踏まえ、「別に犯人がいるかのようなうそのストーリーを創作し客観的な証拠と矛盾があればその都度上塗りし続けてきた」などとして被告の主張は信用できないと結論づけています。 一方で弁護側は、「被告の車から被害者のDNA型が検出されたことなどが明らかになっているが犯行を裏付ける決定的な証拠はない」として「検察は有罪であることを証明できていない」と強調しています。 検察側から死刑という非常に重い求刑が行われた今回の裁判。裁判員や裁判官がどのような結論を出すのか注目されます。 この裁判についてですが17日は朝から傍聴券の抽選が行われ、大分地方裁判所には160人の希望者がいました。 ◆TOS田辺智彦アナウンサー 私も抽選に並んで裁判を傍聴しました。 被害者の遺族が意見陳述をしている時、佐藤被告の目の辺りを見ていたのですが、遺族が声を震わせながら感情をあらわにしている時でも被告の表情は一切変わらず、遺族を見つめていたシーンが記憶に残っています。 ◆TOS山路謙成記者 検察側から死刑が求刑された際、遺族はハンカチで目元を抑え涙を拭っていました。 これに対し佐藤被告は反応することなく一点を見つめていました。 7月の判決に注目したいと思います。
テレビ大分