前回王者に惜敗の千里MF伊崎太智「私立校を倒してベスト16に」選手権でのリベンジ誓う
公立校の千里が前回王者をあと一歩のところまで追いつめた。 令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選の中央トーナメントの1回戦で16強入りを目指し金光大阪に挑んだ千里は、2-2(PK2-4)で惜しくも敗れ大会を終えた。 【フォトギャラリー】金光大阪vs千里 試合開始直後にセットプレーから先制を許した千里。それでも9分にMF23首藤龍之介(2年)のカットインシュートで同点に追いつくと、後半に入り44分にMF11柴山航輝(3年)のボレーシュートで逆転。 最終的にはPKで追いつかれPK戦で敗れたものの、千里イレブンの堂々とした戦いぶりには目を見張るものがあった。 その千里の中で特にプレーで輝きを放ったのが背番号10のMF伊崎太智(3年)だ。 伊崎はボランチのポジションで金光大阪の厳しいプレッシャーにさらされながらも、足元の技術の高さを見せ続け、そのプレーぶりには余裕すら感じられた。逆転ゴールとなった2点目のシーンでは、右サイドを力強いドリブルで突破し、鋭いクロスを供給。柴山のゴールをアシストした。 運動量が落ち防戦一方となった試合終盤には、上背の高さを生かし自陣ゴール前で空中戦にも参加。チームのために戦える部分も見せた伊崎だったが、PA内で相手の突破を止めようと足を出したところで痛恨のPK献上。伊崎にとっては大きな手応えと悔しさが入り混じる試合となった。 「ほんまに悔しいですね。ずっと練習してきた形で点を取ることも出来て、シード校を相手に公立高校でもやれると感じましたし、選手権で私立校にリベンジしたいですね」 悔しいそうな表情で試合を振り返った伊崎。その表情からも、現実的に格上に勝利する算段が付いていたのだと感じられた。それでも「最後の方はクリアするので精一杯で、相手の地力の強さを感じました。選手層も厚いですし、最後のところで差が出ちゃったかなと思いました」とチーム力の差を感じたのも事実。 「(リーグ戦では)今3部で連勝してるんですが、金光大阪はプリンスでレベルが違うので、"こんなプレーじゃダメだ""もっと相手を圧倒しないと"と戦ってきました」この舞台を想定し、意識を高く持ってプレーしてきたが、それでもやはりプリンスの壁は高かった。 「中学の時はクラブチームでセカンドチームだったので、勉強で公立校に行こうと。自分が中3の時に千里高校が公立校大会で準優勝をしたのを見て、自分も千里でサッカーがしたい」と千里を選んだ伊崎。「中学の時は慌ててプレーしてしまっていたんですが、今は自分が中心になって自分が作る(組み立てる)ようになったので良さが出せるようになった」 身長も伸びた伊崎は3月には大阪府サッカー協会2種選抜(大阪U-17選抜)でオランダ遠征も経験。公立校に進んでも自信を持ってプレーできる環境を与えられ、それを自身の成長に繋げてきた。 「守備では最後まで耐えられる力強さも必要ですし、どんな相手でも自分たちのスタイルで崩せるようになる。それが千里にとって近道」 この試合で自分たちの立ち位置を再確認した千里イレブン。 「公立高校でベスト16に進出しているチームがないので、選手権では5回戦で私立校を倒してベスト16に進出したい」 伊崎は次なる目標に向け闘志を燃やした。 (文・写真=会田健司)