サムスン電子、半導体利益が予想に届かず-AIメモリー課題示唆
(ブルームバーグ): 韓国のサムスン電子が31日発表した7-9月(第3四半期)決算で、主要事業の半導体部門の利益が市場予想に届かなかった。人工知能(AI)半導体の出遅れを挽回できていないことを示唆している。
通常はサムスンにとって利益寄与が最も大きい半導体部門の営業利益は3兆8600億ウォン(約4300億円)と、市場予想の6兆7000億ウォンを大きく下回った。
米エヌビディアのAIアクセラレーターに使用される最新チップの認証取得に手間取ったサムスンの株価は年初来で約25%下落。その間に、ライバルのSKハイニックスや米マイクロン・テクノロジーは収益の大きい広帯域メモリー(HBM)分野でリードを広げた。SKハイニックスが先週発表した7-9月の営業利益は7兆300億ウォンと過去最高を記録した。
サムスンは発表資料で、AIやデータセンターサーバー関連の需要が堅調だったものの、モバイルチップの需要は一部顧客の在庫調整により引き続き低調だったと説明。中国市場ではレガシー半導体の供給増への対応も余儀なくされた。通期の半導体向け設備投資は47兆9000億ウォンが計画されており、「HBM3E」や他のハイエンド製品の販売拡大を目指す。
サムスンの7-9月の純利益は9兆7800億ウォンと、アナリスト予想平均の9兆1400億ウォンを上回った。半導体部門は振るわなかったが、他の事業が半導体の不振を補った。
原題:Samsung Chip Profit Disappoints in Sign of AI Memory Challenges(抜粋)
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Yoolim Lee