【F1分析】角田裕毅、日本GP”3台抜き”ピットは幸運な部分も? 終盤絶妙ペースコントロールでストロールを翻弄……今や中団グループ全員の”標的”に
■ペースを絶妙にコントロールしつつ、ストロールを抑えたファインプレイ
ストロールに真後ろにつかれた角田は、周を追うごとにペースダウン(上のグラフの赤丸で示した部分)。しかし最高速を活かして、先行を許さなかった。 ストロール陣営はその状況にたまらずピットイン。ソフトタイヤに交換し、レース終盤に攻めるギャンブルに出た。しかし角田は、実は爪を隠し持っていた。 グラフの青丸の部分をご覧いただきたい。ストロールがピットに入るやいなや、角田は徐々にペースアップ。つまりそれまでの角田は、ストロールを抑えつつ、タイヤをうまくマネジメントしていたのだ。そこで稼いだマージンでペースを上げ、ストロールの接近を許さなかった。一方でストロールは、ほぼ同じタイミングでハードタイヤを履いたヒュルケンベルグに最後は交わされ、12位でフィニッシュ……角田に翻弄されたレースになってしまったと言えよう。 今回の日本GPでは、ヒュルケンベルグにも、ストロールにも、そしてボッタスにも入賞の可能性があった。しかしその全てを封じたのは、角田だった。今季開幕からここまで、角田は中団グループをリードしている。そして今や、ライバルチームの”標的”という立場にある。 キック・ザウバーのトラックサイド・エンジニアリング責任者であるセビ・プホラールは、日本GP終了後に次のように語った。 「確かに、現時点で我々の基準は角田だ。彼は、我々が倒したいと思っている相手だよ」
田中健一
【関連記事】
- ■角田裕毅は”サムライの精神”で鈴鹿10位をもぎ取った! RBバイエルCEO「我々向きではないサーキットだったが、全員の”貢献”の結果だ」
- ■レッドブルF1のホーナー代表、角田裕毅を賞賛。一方リカルド立ち直りを期待「チームメイトが素晴らしい成績……プレッシャーは当然だ」
- ■インパクト強烈! 角田裕毅の活躍を重鎮マルコ絶賛。しかしレッドブル昇格可否は「まだ4戦目」と冷静……判断はサマーブレイク明け?
- ■アロンソ、他車を利用した防御戦術冴えわたる。6位獲得にご機嫌ジョーク「今度はF1から失格にされちゃうかもね!」
- ■レッドブルのフェルスタッペン、F1日本GPで“ハットトリック”優勝「ホンダ勢3台で入賞できた」と角田裕毅も称賛