作品がつないだ縁 「SHOGUN」司祭役を演じた親日家の英俳優、朝ドラ「ばけばけ」でヒロイン夫役
NHK大阪放送局は27日、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」で、「怪談」で知られる作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がモデルのヘブン役が英俳優トミー・バストウ(33)に決まったと発表した。異例の公開お披露目会見に登壇したトミーは「初めての着物。自分で選びました」と流ちょうな日本語を繰り出し、集まった観客に手を振った。 映画好きの父の影響で黒澤明監督作に触れ、10年前から独学で日本語を猛勉強。語学留学で千葉などにホームステイした経験があり、「『ちむどんどん』『ブギウギ』も見た」と朝ドラも承知済み。国内外の外国人1767人の応募者から、リモート動画選考など突破して大役を勝ち取った。 会見にはヘブンの妻でヒロインの高石あかり(21)も出席。この日が初対面で「優しそうで、おちゃめな印象。英語も教えてもらいたい。隣で支えたいと思うようなステキな方」と自身初の夫婦役を楽しみにした。 ヘブン役の導きのきっかけは、俳優・真田広之(64)がプロデュース、監督、主演を務めてエミー賞18冠に輝いたドラマ「SHOGUN/将軍」の司祭役での出演。共演の女優・穂志もえか(29)から朝ドラオーディションの話を聞き、トライした。「長い間、日本で働きたいと思っていたので、恩があります」と作品がつないだ縁に感謝。真田とは「また共演したい」と熱望し、「(決定は)秘密だったので、すぐに伝えたい」と笑顔で話した。 制作統括の橋爪國臣氏は「日本語ができない方になる可能性も覚悟していたので、ビックリ。人をほれさせる力があるナイスガイ」と期待した。 来春から約1年、日本での撮影生活を送る。「ラーメンが大好き。博多ラーメンは無敵。大阪のものも食べたい」と親日家らしく目を輝かせた。(筒井 政也) ◆トミー・バストウ 1991年8月26日、英国生まれ。33歳。2007年にロックバンド「FranKo」を結成し、リードボーカルで現在も活動中。俳優としては08年公開の「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日」でメジャー映画デビュー。18年から米国にも進出し、映画「ネバー・バックダウン/自由への反乱」(21年)などに出演。タイの国技のキックボクシング「ムエタイ」の選手でも活動している。185センチ、80キロ。
報知新聞社